Ⅲ 中長期的な戦略 1 中長期的な戦略の概要 中長期的な戦略は、人口減少社会の到来や超高齢社会の進展などの直面する課題を乗り越え、都市の持続的な成長・発展を実現するため、6つの戦略を連動させながら実行していきます。 各戦略では、2030(平成42)年を展望した取組の方向性と、具体的な取組を示す行程表を掲載しています。 戦略1 『力強い経済成長と文化芸術創造都市の実現』 戦略2 『花と緑にあふれる環境先進都市』 戦略3 『超高齢社会への挑戦』 戦略4 『人が、企業が集い躍動するまちづくり』 (1)成長と活力を生み出す都心部 (2)誰もが「住みたい」「住み続けたい」と思える郊外部 戦略5 『未来を創る多様な人づくり』 戦略6 『未来を創る強靱な都市づくり』 (1)災害に強い安全で安心な都市 (2)市民生活と経済活動を支える都市基盤 *中長期的な戦略に取り組むにあたりSDGsを意識するために、戦略ごとにSDGsの17の目標との関連性を示しました。 *SDGsの17の目標の詳細については、p.108、109を参照。 2 各ページの見方 1 戦略名 2030(平成42)年を展望した中長期的な戦略の名称です。 2 方向性 各戦略で進める方向性を示しています。 3 戦略の柱 重点的に取り組む戦略の柱を、戦略ごとに2つから3つ設定しています。 4 取組内容 戦略の柱ごとに取り組む内容を記載しています。 5 データ、図 戦略に関連するデータや図を掲載しています。 6 行程表 取組内容について、各戦略の方向性を踏まえた行程を記載しています。 戦略1 『力強い経済成長と文化芸術創造都市の実現』 市内企業の成長・発展と戦略的な企業誘致 市内企業の持続的な成長・発展 市内中小企業の喫緊の課題への対応として、人材の確保、円滑な事業承継などへの支援を進めるほか、経営相談や企業訪問などの基礎的支援を充実させます。また、I▫TOP横浜やLIP.横浜※1などのプラットフォームからの事業展開、研究開発人材・起業家・学生等が交流できる拠点機能の充実により、オープンイノベーションを推進します。さらに、Y-PORT※2事業や海外拠点の戦略的な活用などにより、市内企業の海外展開を支援するほか、世界で活躍できる人材の育成・支援や外国人材の誘致・定着を推進します。 産業拠点の強化と戦略的な企業誘致 京浜臨海部や金沢臨海部のさらなる活性化や、関内地区における業務機能等の強化、新たなビジネスを創出しやすい魅力ある環境の構築など、産業拠点の強化につながる取組をまちづくり施策と連動しつつ進め、戦略的な企業誘致を推進します。また、研究開発拠点、外資系企業、ベンチャー企業などの立地を促進し、市内企業の事業機会や雇用の場の拡大を図ります。 活力ある都市農業の推進 先進技術導入や6次産業化による高付加価値化などの展開を図るとともに、地産地消に取り組む多様な主体と連携した農のプラットフォームの充実や、「横浜農場※3」の積極的なプロモーション、多様な担い手の支援などにより、都市農業の活性化を図ります。 文化芸術創造都市による魅力・賑わいの創出 新しい価値を生み出し、魅力を高める文化芸術創造都市 国内外を問わず多くの人を惹きつける都市を目指して、質の高い文化芸術に触れることができる本格的な劇場など、横浜の新たな魅力・賑わいを創出します。また、横浜らしい特色のある芸術フェスティバルの開催や東アジア文化都市を通じた国際交流などにより、横浜の持つ魅力を国内外へ発信します。 歴史的建造物等を活用した賑わいづくりや創造性をいかしたビジネス創出などにより、新しい価値を生み出すとともに、市民が行う文化芸術活動への支援や、活動拠点となる施設の整備などを進めることにより、文化的に豊かな市民生活の実現を目指します。 観光・MICE、スポーツによる集客促進と地域経済活性化 活気あふれる観光・MICE都市 ラグビーワールドカップ2019TM、東京2020オリンピック・パラリンピック、第7回アフリカ開発会議の開催、クルーズ客船の寄港や羽田空港の発着便の増加などを契機とした都心臨海部の魅力向上などを通じ、交流人口の拡大を目指し、公民一体でデータに基づいた観光施策を推進します。国内外へのプロモーション強化、他都市との連携、モノからコトへの消費動向の変化等をとらえた魅力ある観光コンテンツづくり、観光客のニーズを踏まえた受入環境の充実などにより、まちの賑わいと消費の拡大を目指します。 新たなMICE施設整備を好機とし、経済波及効果の高い国際会議等の誘致やMICE関連産業の強化などを進め、「グローバルMICE都市」としての機能を強化します。 スポーツ都市横浜の推進 ラグビーワールドカップ2019 TMや東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に向けた横浜を魅せる取組や機運の醸成を進め、大会を契機とした市民のスポーツ意欲の向上や参加機会の充実、ボランティア文化の醸成・定着などレガシーの創出につなげます。 プロスポーツとの連携や大規模スポーツイベントの開催等を通じた集客促進を観光施策と連動させながら進め、市民のスポーツへの愛着醸成や国内外への発信力を強化します。 年齢や障害の有無などにかかわらず、誰もが身近な場所でスポーツに親しめる環境づくりを推進し、スポーツを通じた市民の暮らしの充実やまちの活性化を目指します。 ※1 I▫TOP横浜:IoTオープンイノベーション・パートナーズ、LIP.横浜:横浜ライフイノベーションプラットフォーム(p.112参照) ※2 Y-PORT(公民連携による国際技術協力):新興国の都市課題解決と市内企業の海外展開支援を目的とした事業 ※3 横浜農場:食や農に関わる多様な人たち、農畜産物、農景観など、横浜らしい農業全体を農場として見立てた言葉 方向性 中小企業への基礎的支援に加え、企業・大学・研究機関等の集積の強みをいかしたさらなる企業誘致の推進や、オープンイノベーションによる産業創出に向けた取組を進め、市内企業の成長・発展につなげます。また、文化芸術創造都市の取組や観光・MICE、スポーツの振興により、活力と賑わいのある都市を実現します。 横浜市企業立地等促進特定地域等における支援措置に関する条例による効果<支援額(税軽減・助成金)と税収の推移> ・市内で約3万4千人の雇用創出(平成29年度までの累計) ・平成26年度に累計で税収額が支援額を上回り、今後さらに効果が拡大する見込み 資料:経済局 訪日外国人旅行消費額と訪日外国人旅行者数 資料:観光庁「平成29年度訪日外国人消費動向調査」 行程表 I▫TOP横浜、LIP.横浜によるプロジェクト推進 海洋都市横浜うみ協議会によるプロジェクト推進 市内企業の海外展開支援 市内企業の持続的な成長・発展 【京浜臨海部】 守屋・恵比須地区における研究開発施設の整備推進 京浜臨海部再編整備マスタープランに基づく取組推進 【金沢臨海部(LINKAI横浜金沢)】 金沢臨海部産業活性化プランに基づく取組推進 戦略的な企業誘致 条例検討 産業拠点の強化 戦略的な企業誘致 都市農業推進プランの推進 先進技術導入や6次産業化等による横浜農場の展開 活力ある都市農業の推進 劇場整備の事業化検討・事業推進 横浜らしい特色のある芸術フェスティバルの実施(横浜トリエンナーレ事業・横浜芸術アクション事業) Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018 2019年音楽フェスティバル 2020年トリエンナーレ 2021年ダンスフェスティバル 新しい価値を生み出し、魅力を高める文化芸術創造都市 シティプロモーション 国内外からの誘客促進 受入環境整備の推進 MICE機能の強化 新たなMICE施設(2020年春完成) 活気あふれる観光・MICE都市 機運の醸成 ラグビーワールドカップ2019TM開催 東京2020オリンピック・パラリンピック開催 レガシーの継承 大規模スポーツイベントの誘致・開催支援等 スポーツ都市横浜の推進 力強い経済成長と文化芸術創造都市の実現 戦略2 『花と緑にあふれる環境先進都市』 豊かな自然環境と暮らしが共存する都市づくり 花・緑・農・水をいかした魅力と活力あふれるまちの実現 市民・企業等の様々な主体が連携し、安らぎや交流を生み出す場づくりや魅力ある空間づくり、公民連携による公園の活用など、花・緑・農・水を活用した幅広い取組を展開する「ガーデンシティ横浜」を推進するとともに、国際園芸博覧会の招致につなげ、まちの活性化や賑わいの創出を図ります。 水・緑環境の保全・創出 かけがえのない自然環境を次世代につなぐため、緑の10大拠点などの樹林地や農地等の保全、地域の特性をいかした緑の創出、水と親しめる水辺環境の創出、身近に農とふれあえる場の創出、生物多様性の保全や豊かな海づくりなどを進めます。 グリーンインフラが有する多様な機能の活用検討・実践 良好な景観形成、雨水の浸透・貯留、ヒートアイランド現象の緩和、さらには人々が交流し活動する場など、多様な機能を持つグリーンインフラ※1の活用の検討を進め、魅力あふれる都市環境の充実と豊かな暮らしの創出につなげます。 経済活動を支える低炭素・循環型の都市づくり SDGs未来都市の実現 環境未来都市の取組を新たなステージに発展させる「SDGs未来都市※2」として、自治体SDGsモデル事業をはじめ、環境・社会・経済の三側面からの統合的発展につながる様々な取組を市民・企業等との連携により展開し、環境を軸に、経済や文化による新たな価値・賑わいを創出し続ける都市の実現を目指します。 地球温暖化対策・エネルギー施策の大都市モデルの実現と発信 脱炭素化を目指す「Zero Carbon Yokohama」を示し、高い市民力や企業の集積、多様な都市の資源等をいかした省エネ・再エネ・エネルギーマネジメント等の取組を進めることで、持続可能な大都市モデルを実現し、国内外へ発信します。 持続可能な循環型社会ときれいなまちの実現 「ヨコハマ3R夢スリムプラン(平成23年1月策定)」のもと、市民・企業等の様々な創意工夫による環境行動を推進するとともに、新たな焼却工場の整備や施設での創エネ・省エネ、最終処分場の延命化など、資源循環を支える施設等の充実・強化に取り組み、持続可能な循環型社会を構築します。 また、市民の主体的な美化活動などにより支えられている、清潔できれいなまちづくりの取組の輪を広げ、横浜のまちの魅力をさらに高めていきます。 環境プロモーションの展開・国内外への発信 環境にやさしいライフスタイルの実践と定着 市民・企業等との連携による幅広い世代への環境教育や環境行動の実践、環境プロモーションを展開し、生物多様性の保全、地球温暖化対策、3R行動、食品ロス削減等の環境にやさしいライフスタイルの実践と定着を図り、自然環境を次世代に継承し、人と自然が共生する持続可能な社会を目指します。 環境の取組の国内外への発信 国際関係機関や環境分野等で優れた技術を有する市内企業等と連携し、世界各地で顕在化する都市課題の解決に向けた協力を行うとともに、国際的なイベントや会議等を活用し、優れた環境の取組を国内外へ発信することで横浜のプレゼンス向上を図ります。 ※1 グリーンインフラ:自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある都市づくりを進めるための社会資本 ※2 SDGs未来都市:SDGs達成に向けた優れた取組を推進する都市(国が平成30年6月に選定) 方向性 花・緑・農・水をいかした「ガーデンシティ横浜」の推進、SDGsやパリ協定の視点を踏まえた地球温暖化対策等の大都市モデルの構築、持続可能な循環型社会の構築、環境にやさしいライフスタイルの実践・定着を進め、自然共生と経済発展を実現し、魅力と賑わいのあふれる環境先進都市を構築します。 横浜市の環境施策への満足度と要望 ①省エネ、新エネ利用の取組 ②みどりの創出(都心臨海部) ③郊外部のまとまった緑の保全 ④水循環機能の強化 ⑤次世代自動車の普及 ⑥道路整備、再開発事業等における環境配慮 ⑦化学物質の適正管理 ⑧農業の推進 ⑨農地の保全 ⑩環境教育の推進 ⑪環境活動への支援、協働 ⑫環境技術の海外展開 ⑬環境配慮型製品の普及 資料:環境創造局「平成29年度環境に関する市民意識調査」 行程表 ガーデンネックレス横浜の展開(都心臨海部や郊外部での花と緑による街の魅力・賑わいの創出、地域に根差した花と緑の展開など) 国際園芸博覧会開催(2026年度) 緑地保全制度を活用した樹林地の保全 制度による指定400ha(2018-2023年度) 身近に農とふれあえる場の保全・創出 特定生産緑地指定(2022年度~) 多様な機能を有するグリーンインフラの活用の検討・実践 SDGs未来都市選定(2018年度) 大都市モデルを実現する先進的な取組の推進 地球温暖化対策実行計画改定(2018年度) 地球温暖化対策・エネルギー施策の推進 温室効果ガス▲22%(2020年度) 温室効果ガス▲30%(2030年度) 市民・事業者との連携による3R行動の推進 資源循環を支える施設等の充実、持続可能な廃棄物処理の推進 ごみと資源の総量▲10% ごみ処理に伴い排出される温室効果ガス▲50%(2025年度) 市民の主体的な美化活動など、きれいなまち横浜の推進 生物多様性の保全の促進 食品ロス削減の推進 市民・企業等との協働による温暖化対策の促進 環境にやさしいライフスタイルのさらなる推進 国際関係機関や市内企業等と連携した環境の取組等の国際展開 国際的なイベントや会議等を活用した国内外への発信 花と緑にあふれる環境先進都市の実現 戦略3 『超高齢社会への挑戦』 互いに支え合う地域づくり 誰もが安心して自分らしく健やかに暮らせる地域づくり 市民一人ひとりがお互いを認めあい、立場や背景を超えてつながることにより、様々な困難を抱えた場合も社会から孤立せず、安心して暮らせる地域社会を目指します。 また、社会福祉協議会や地域ケアプラザと共に地域の全ての住民や活動する団体がお互いに支えあい、いきいきと活躍できるよう、ボランティアや見守りなど地域福祉保健活動への参加の仕組みづくりを進め、社会参加を促進します。さらに、地域住民や関係団体、企業やNPO、学校などが生活課題や地域課題を「わたしたちのまちにある課題」としてとらえて連携し、それぞれの力をいかして解決できる地域づくりを進めます。 健康で自立した生活の継続 活力ある横浜を支える一人ひとりの健康の維持 若い世代からの運動や食生活等の生活習慣の改善などによる健康行動の習慣化、健診/がん検診受診の推奨等による生活習慣病の重症化予防、健康づくり・介護予防活動の支援を体系的に進めることにより、健康で自立した生活の継続を図ります。 働き・子育て世代からの健康づくりを進めるため、企業等の健康経営の取組を支援します。また、健康情報の提供や地域活動への支援を通じて、健康づくり・介護予防を一体的に進め、いくつになっても健康で自立した生活を送ることのできる市民を増やし、健康寿命※1の延伸を図ります。 必要な時に医療や介護を提供できる体制づくり 望む場所で自分らしく暮らすための地域包括ケアシステムの構築・推進~ ポジティブ・エイジング ~ 高齢者一人ひとりが可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、介護・医療・介護予防・生活支援・住まいのサービスが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を構築・推進します。 24時間対応可能な地域密着型サービスや生活支援の充実など、在宅生活を支えるサービスの充実と連携強化を図るとともに、介護人材の確保・定着支援・専門性の向上を進めます。また、認知症の正しい理解を広め、認知症の人が暮らし続けられる地域づくりを進めます。さらに、特別養護老人ホームの整備を加速させるなど、多様なニーズや状況に応じた施設・住まいの整備を推進します。 適切な医療を受けるための医療提供体制の充実 効率的・効果的で質の高い医療提供体制を整えるとともに、保健・医療・介護等の切れ目のない連携を進め、健康で安心して暮らせる社会を実現します。 在宅医療の充実や在宅医療連携拠点を軸とした医療と介護の連携を強化します。また、将来必要となる病床機能の確保及び連携体制の構築や、それらを支える医療人材の確保・育成に取り組むとともに、小児・周産期医療の充実や総合的ながん対策の推進、救急医療を含めた救急救命体制の充実を図ります。さらに、医療提供体制の基幹となる病院の再整備を進めます。 希望にかなった暮らしと、その後の備えへの支援 生活の場や治療内容などについて、自らの意思で自身の生き方を選択するため、本人による自己決定の支援を行い、希望に応じた介護・医療を受けるための取組に着手します。 また、人生の最終段階を安心して過ごせるよう、在宅医療や看取り等についての市民理解促進のための普及・啓発を進めます。さらに、増加する火葬や墓地の需要に対応するため、新たに斎場・墓地の整備を行います。 ※1 健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間 方向性 超高齢社会への挑戦として、誰もがいくつになってもその人に合う役割を持って地域社会と関わることなどにより、いつまでも健康で生きがいを実感し、住み慣れた地域で安心していきいきと暮らせる地域社会を実現します。実現に際し、医療や介護が必要になっても地域で生活できるよう、介護、医療、保健・福祉の充実を図ります。 ①社会的な活動をしていてよかったこと 資料①:内閣府「平成28年高齢者の経済・生活環境に関する調査」 ②要支援となった原因 ③介護保険サービスの利用者数の推移(月平均) 資料②③:健康福祉局「第7期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」「平成28年度横浜市高齢者実態調査」 行程表 社会参加の促進 社会的孤立に気づき支える仕組みの構築 多様な主体の連携による支え合いの地域づくり 第4期地域福祉保健計画(2019年度~)、互いに支え合う地域づくりのさらなる推進 生活習慣の改善など健康行動の習慣化 健診/がん検診受診の推奨・生活習慣病の重症化予防 健康経営の取組支援 健康づくり・介護予防の推進 第3期健康横浜21(2023年度~)、健康寿命の延伸に向けた取組の推進 地域包括ケアシステムの構築・推進 在宅生活を支えるサービスの充実と連携強化 介護人材の確保・定着支援・専門性の向上 認知症の理解促進 ニーズに応じた施設・住まいの整備推進 地域包括ケアシステムの構築(2025年)、推進 医療提供体制の充実 病床機能の確保及び連携体制の構築 在宅医療の充実と医療介護連携の推進 総合的ながん対策の推進 小児・周産期医療の充実、救急救命体制の充実 地域医療構想の具現化(2025年)、充実 人生の最終段階及びその後の備えに向けた安心の確保、新たな斎場の整備・新たな墓地の整備 市民一人ひとりが安心して自分らしく暮らせる社会の実現 ※2 ロコモティブシンドローム:加齢に伴う筋力低下や骨・関節疾患などの運動器の障害が起こり、立つ・座る・歩くなどの移動能力が低下する状態 戦略4(1) 『人が、企業が集い躍動するまちづくり』~成長と活力を生み出す都心部~ 都心臨海部・新横浜都心と、京浜臨海部等の魅力あるまちづくり 横浜駅周辺地区 西口の駅ビル整備や鶴屋地区の国家戦略住宅整備事業※1等の再開発、東口の駅前開発など、エキサイトよこはま22※2により、国際都市横浜の玄関口にふさわしいビジネスや交流などの拠点形成を図り、都心臨海部全体を視野に入れ、一体的にまちづくりを進めます。 みなとみらい21地区 国際ビジネス・MICEの拠点として、本社機能・研究開発拠点等の集積をいかして新たなビジネスを創出し、さらなる企業誘致につながる好循環を生み出すとともに、MICE施設やエンターテイメント施設等の活用・集積を、まち全体の賑わい創出につなげます。 関内・関外地区 関内駅周辺地区で現市庁舎街区の活用等による「国際的な産学連携」、「観光・集客」をテーマとする新たなまちづくりを進めるとともに、これまでの「文化芸術」、「業務」に加え、横浜文化体育館再整備や横浜スタジアムの改修など、「スポーツ・健康」をテーマとしたまちづくりを進めることで相乗効果を生み出し、地区全体の活性化につなげます。 山下ふ頭周辺地区 都心臨海部の新たな魅力創出を目指し、大規模で魅力的な集客施設の導入などを含めたハーバーリゾートの形成に向けて再開発を推進します。 東神奈川臨海部周辺地区 東神奈川駅周辺の再開発の推進とともに、新たな拠点として東高島駅北地区での総合的な再編整備や、中央卸売市場と連携した山内ふ頭周辺の賑わい創出などを進めます。 新横浜都心とその周辺 神奈川東部方面線の整備による交通利便性の向上をいかし、沿線のまちづくりを進めます。新横浜都心では、商業・業務機能の集積や、市街地開発により都心機能の強化を推進するとともに、新横浜都心と直結することとなる日吉・綱島地区では、新綱島駅周辺での市街地開発など、地区のポテンシャルをいかすまちづくりを進めます。 京浜臨海部 イノベーションを促進するための環境づくりなど、経済施策と連動させるまちづくりを進め、先端産業をけん引する魅力ある新たな都市空間を形成します。 公民連携等の手法を活用したまちづくりの推進 各地区での賑わいや活力を生み出すため、公民連携(PPP)などの手法の検討を進めます。また、統合型リゾート(IR)については、国の動向を見据え、検討します。 人や企業が活躍できるまちづくり 人や企業が集まり、活躍できる環境づくり 関内での既存ビルのリノベーションの促進や、京浜臨海部での新たな価値を生み出す産業集積など、産業振興とまちづくりを一体的に進め、地区の特性や魅力を最大限活用した新たな企業誘致・集積を進めます。 また、グローバル化の進展や働く人々のライフスタイルに対応した国家戦略住宅等の都市型住宅や医療・教育等の就業・生活環境づくりを進めるとともに、交通利便性の向上や生活道路の整備など、安全・安心なまちづくりを進めます。 賑わいと回遊性を生み出すまちづくり 人々の交流や回遊性を生み出す賑わいあるまちづくり 観光・MICE、スポーツや文化芸術等の目的で訪れる人々がまちを楽しみ、回遊できるように、客船ターミナルや鉄道駅等での来街者への受入環境整備を進めるとともに、花や緑、水辺や道、歴史的建造物等の魅力資源をつなぐまちづくりを進めます。 さらに、既存の鉄道・バス等の利便性の向上を図ることに加えて、連節バスを活用した「高度化バスシステム」や水上交通、新技術を活用した移動手段など、多彩な交通を充実させ、交流や回遊を生み出すまちづくりを進めます。 ※1 鶴屋地区における国家戦略住宅整備事業:国家戦略特区での産業の国際競争力強化等に必要な住宅整備を促進する事業として、外国人居住者等の生活支援に必要な子育て支援施設やサービスアパートメントの併設などを予定 ※2 エキサイトよこはま22:横浜駅周辺の将来像を見据え、その実現に向けた様々な取組をまとめた計画 方向性 横浜の成長をけん引する都心臨海部・新横浜都心に加え、京浜臨海部等も含めたエリアで、各地区の特性と魅力をいかした機能強化を一体的に進めます。また、国内外から人や企業が集い、活躍できる就業・生活環境の充実や、来訪者がまちを楽しみ回遊できる多彩な交通の充実等により、成長と活力を生み出します。 都心臨海部の各地区と新横浜都心・京浜臨海部等 行程表 横浜駅周辺 西口駅ビル・駅前広場等、完成(2020年)、国家戦略住宅、完成(2021年)、その他の開発推進 東口駅前開発、工事着手、推進 みなとみらい21 新たなMICE施設、完成(2020年)、活用 大規模街区等の開発推進 観光・エンターテイメントの集積 関内・関外 新市庁舎整備、完成(2020年)、新たな賑わい創出 回遊性の向上 現市庁舎街区、跡地活用計画決定(2019年度)、着工、しゅん工文化体育館 サブアリーナ、供用(2020年)、メインアリーナ 、供用(2024年)、地区全体への活性化 山下ふ頭再開発、一体開発を推進、供用 東神奈川臨海部周辺、東神奈川一丁目再開発、 完成(2018年度)、 東高島駅北地区整備、基盤整備完成(2023年度)、事業推進 新横浜都心、新横浜駅南部地区  計画検討                     事業化検討 神奈川東部方面線、相鉄・JR直通線開業西谷~羽沢間(2019年度)相鉄・東急直通線開業羽沢~日吉間(2022年度)、沿線の魅力向上 京浜臨海部、マスタープラン 改定 まちづくりの検討・推進(守屋・恵比須、末広、山内地区) 統合型リゾート(IR)、《国の動向》整備法制定・区域整備計画認定、法の制定等、国の動向を見据えた検討 クルーズ客船等受入環境づくり、大黒ふ頭受入れ施設、新港9号岸壁、供用(2019年度)、魅力資源をつなぐまちづくり 新たな交通システム、高度化バスシステム、導入(2020年)、高度化バスシステムのサービス拡充検討 訪れる人々が楽しみ、回遊できるまち 2030 成長と活力を生み出す都心部の実現 戦略4(2) 『人が、企業が集い躍動するまちづくり』~誰もが「住みたい」「住み続けたい」と思える郊外部~ コンパクトな郊外部のまちづくりの推進 鉄道駅周辺のまちづくり 駅周辺では、各地域の特性に応じて、多様な暮らし方や働き方などの変化に対応し、地域の生活や経済を支える拠点を形成します。主要な駅を中心に市街地開発や周辺の道路・交通等の都市基盤整備を進めるとともに、地区計画等の規制誘導手法を活用し、民間事業者等と連携しながら、業務、商業、住宅等の機能集積を図り、多世代に選ばれるまちづくりを進めます。 住宅地の活性化・魅力向上 住宅地では、民間事業者や大学など多様な主体と連携しながら、医療・福祉、買物、子育て、教育等の日常生活を支える機能の導入や身近な就労の場の確保等を図るとともに、水や緑など豊かな自然環境をいかした住環境の整備を進め、多世代が暮らしやすい住宅地を形成します。 また、住まいの公的団体と連携した「団地再生コンソーシアム」等の取組により、団地の建替え等による再生やコミュニティの活性化等に向けた支援を進めます。 市民に身近な交通ネットワーク等の維持・充実 駅周辺と住宅地等をつなぐバス等の公共交通の維持・充実に取り組みます。また、買物や医療・福祉、子育て等のニーズにも対応するため、地域住民や民間事業者などの多様な担い手との連携強化や、自動運転等のICTの活用を検討するなど、新たな交通サービスの導入に向けた取組を進めます。 ユニバーサルデザインの考え方を踏まえ、駅への可動式ホーム柵の整備促進や、駅及び駅周辺のバリアフリー化等を推進するとともに、通学路や踏切の安全対策等を進め、誰もが利用しやすく安全な交通の実現に取り組みます。 戦略的な土地利用誘導・まちづくりの推進 都市インフラ整備等の機会をいかしたまちづくり 駅やインターチェンジの周辺など、都市的土地利用が見込まれる地域では、緑や農地の保全とのバランスを図りながら、医療・学術研究機関、ロジスティクス産業、商業、住宅等の誘致・集積を進め、人や企業を惹きつける戦略的な土地利用誘導によるまちづくりを進めます。また、市街地における大規模な土地利用転換の機会をとらえ、周辺環境との調和を図りながら、生活利便機能など地域特性に応じた土地利用を誘導します。併せて、都市環境の変化に対応した土地利用規制の見直しの検討を進めます。 米軍施設の跡地利用の推進 市内に残された貴重な資産である米軍施設跡地では、広大な土地や立地特性等をいかし、地域や市域の活性化、広域的課題の解決に向けた土地利用を進めます。 旧上瀬谷通信施設では、国際園芸博覧会の招致と連携し、農業振興や新たな都市的土地利用を図るとともに、新たな交通の整備など、総合的なまちづくりを進めます。また、旧深谷通信所では、緑豊かな環境をいかしながら、健康・スポーツの拠点形成を目指していくとともに、根岸住宅地区等の跡地活用の検討を進めます。 方向性 駅周辺の生活拠点機能の強化や住宅地の活性化・魅力向上、それらをつなぐ身近な交通ネットワーク等の維持・充実により、若い世代をはじめ多世代に選ばれるまちづくりを推進します。また、米軍施設の跡地利用など、地域や市域の活性化、広域的課題の解決に資する戦略的な土地利用誘導によるまちづくりを推進します。 【郊外部活性化のまちづくり】 行程表 鉄道駅周辺のまちづくり 市街地開発の推進、4地区完了7地区事業中(2021年度)、事業推進 規制誘導手法を活用したまちづくりの誘導・支援、4地区誘導・支援(2021年度)、事業推進 住宅地の活性化・魅力向上 持続可能な郊外住宅地推進、美しが丘1丁目地区供用(2018年度)、十日市場20・21街区供用(2019年度)、事業推進、十日市場22街区供用 団地の再生支援、団地再生ビジョン策定、事業推進 市民に身近な交通ネットワークの維持・充実 公共交通の維持・充実 新たな交通サービスの導入に向けたモデル事業の推進、新たな交通サービスの拡大 駅・インターチェンジ周辺の土地利用 事業推進、2地区事業完了(2022年度) 旧上瀬谷通信施設 土地利用検討、土地利用基本計画策定、事業化検討・事業推進、園芸博覧会開催(2026年度) 旧深谷通信所 事業化検討、都市計画決定(2021年度)、公園・公園型墓園・道路等 整備推進 2030 誰もが「住みたい」「住み続けたい」と思える郊外部の実現 戦略5 『未来を創る多様な人づくり』 子ども・子育て支援・教育の推進 将来にわたり安心して子どもを産み育てられる環境づくり 多様化する子育てニーズに対応するため、妊娠・出産・子育て期を通じた切れ目のない支援の充実や、受入枠拡大と人材確保による総合的な待機児童対策の推進、質の高い保育・幼児教育の実現、放課後児童の居場所づくりを推進します。 併せて、家庭の経済負担軽減により、子どもたちにとって受診しやすい環境を整えるため、小児医療費助成制度の対象拡大等にも取り組み、全ての子育て世代が地域で安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進めます。 子どもたちの可能性を広げる教育の推進と魅力ある学校づくり 「自ら学び 社会とつながり ともに未来を創る人※」を育むことを目指し、学習指導要領の改訂を受けた新たな授業づくりや、教育の質の向上等を進め、子どもたち一人ひとりの可能性を広げる教育を推進します。 いじめや不登校、教職員の働き方改革等の課題に取り組むとともに、老朽化した学校の計画的な建替えや、中学校昼食における「選択制」の充実により、安心して学べ、魅力ある学校づくりを進めます。 子どもたちの健やかな育ちを守る取組の推進 次代を担う子どもたちが健やかに成長し、個々が持つ能力や可能性を発揮できるよう取組を推進するとともに、児童虐待対策や社会的養護の推進、子どもの貧困対策、就学・教育上のきめ細かな支援、ひきこもり等の課題を抱える子ども・若者支援等により、子どもたちの成長の礎を支えます。 女性・シニア・若者の活躍支援 女性の活躍支援 女性自身の就職及びキャリアアップに向けた支援や起業支援を行うとともに、市内企業における環境整備や経済団体との連携、多様で柔軟な働き方に対する支援など、横浜ならではの取組を一層推進します。 併せて、誰もが自分のライフスタイルに合わせて仕事、育児、介護、地域活動などに取り組み、より豊かな生活を送ることができる社会を実現します。 シニアパワーの発揮と若者の活躍支援 自分らしい充実した日常生活を営むため、これまでに培ってきた能力や経験をいかして、シニアが生涯現役で活躍し続けられる仕組みや、無限の可能性を秘める若者が豊かな能力を発揮できるよう就労・自立支援などを充実させ、それぞれの力や強みを存分に発揮できる社会を目指します。 誰もが自分らしく活躍できる社会の実現 多様性を認め合い人権を尊重しあう社会の実現 様々な人権課題についての認識を深め、市民や市職員の人権意識の向上を図るとともに、支援を充実させることで、「一人ひとりの市民が互いに人権を尊重しあい、ともに生きる社会」の実現を目指します。 障害児・者等が自己選択・自己決定できる社会の実現 障害のある方とその家族の不安や悩みを受け止める機能の充実、就労や社会参加の場を選択できる仕組みづくりを進め、住み慣れた地域で安心して育ち、学び、暮らしていくことができる社会を実現します。 生活に困難を抱える方への支援の推進 生活困窮や、様々な事情により困難を抱える方々が、周囲から孤立することなく安定した生活が送れるよう、一人ひとりの状況に応じた包括的な支援を推進します。 多文化共生の推進 市内在住の外国人や外国につながる子どもたちへの生活基盤支援を充実させるほか、地域におけるつながりの強化や、文化的多様性もいかした地域・社会での活躍促進も図り、多文化共生社会の実現を目指します ※自ら学び 社会とつながり ともに未来を創る人:「横浜教育ビジョン2030(平成30年2月策定)」における、横浜の教育が目指す人づくり 方向性 子育て支援や教育の推進により、子どもの成長や子育て家庭を支えます。働き方改革や多文化共生、「協働による地域づくり」の視点も踏まえた取組を進めます。横浜の未来を創るあらゆる人への投資に一層力を入れ、人権尊重の考え方に立って、誰もがポテンシャルを存分に発揮できる社会を実現します。 労働力人口と労働力率の見通し(全国推計) 資料:厚生労働省「平成27年度雇用政策研究会報告書」 横浜市の女性の労働力率(M字カーブ) 資料:横浜市「平成27年国勢調査 就業状態等基本集計結果 横浜市の概要」 行程表 妊娠・出産・子育て期を通じた切れ目のない支援の充実 保育所等待機児童対策の推進 放課後の居場所づくり、全小学校での居場所の確保(2019年度) 将来にわたり安心して子どもを産み育てられる環境づくり 「横浜教育ビジョン2030」に基づく教育の推進、新学習指導要領全面実施(2020年度~) いじめ防止や不登校への対応の強化 中学校昼食の充実、ハマ弁の喫食率20%(2020年度) 計画的な学校施設の建替え 子どもたちの可能性を広げる教育の推進と魅力ある学校づくり 児童虐待対策の強化、児童相談所の再整備あ 「横浜市子どもの貧困対策に関する計画」に基づく取組の推進 困難を抱える若者の自立に向けた早期発見・早期支援 子どもたちの健やかな育ちを守る取組の推進 女性の就労、キャリアアップ、起業等の支援 ワーク・ライフ・バランスの推進、市内事業所の管理職に占める女性割合30%(2020年度) 生涯現役社会の実現 人権施策の推進、東京2020オリンピック・パラリンピック開催、人権施策基本指針改訂(2021年度) 障害児・者福祉の充実、東京2020オリンピック・パラリンピック開催、第4期障害者プラン(2021年度~) 多文化共生の推進、東京2020オリンピック・パラリンピック開催 生活に困難を抱える方への支援の充実 年齢や性別、障害の有無や国籍によらず社会参加が可能な社会の実現 2030 誰もがポテンシャルを発揮できる社会の実現 戦略6(1) 『未来を創る強靱な都市づくり』~災害に強い安全で安心な都市~ 危機対応力の強化 機能の充実による災害対応力の強化 近年の大規模な自然災害の教訓や通信技術の進展を踏まえ、市民や来街者等に対して、災害に関する必要な情報を迅速かつ正確に伝えるため、既存設備を活用し、情報伝達手段の機能強化を図るとともに、災害情報の多様な伝達手段について検討を進めます。 消防防災活動の中枢となる消防本部庁舎の整備等による災害対応力や活動体制の強化、市内13の災害拠点病院を中心とした負傷者等への医療提供や地域医療機関の支援体制の構築などによる災害医療体制の機能充実を図るとともに、さらなる救急需要増加に的確に対応するため、公民連携による搬送体制の検討等により、救急救命体制の充実を進めることで、市民の生命や財産を守る、安全で安心な都市の実現を図ります。 災害に強い人づくり・地域づくり 自助・共助の推進 横浜市民防災センターのコンテンツ充実等により、幅広い世代への防災研修・教育を進めることで、市民・企業等の防災意識の向上を図ります。 地域防災の要である消防団員の充足率100%の実現・維持、地域における防災・減災の取組を率先して行う防災・減災推進員の育成、地域が主体となって進める防災活動の支援などを進めることで、災害に強い人づくり・地域づくりを推進します。 災害対応の充実 近年の大規模な自然災害の教訓を踏まえ、災害時要援護者などに対する地域での自主的な支え合いの取組支援の充実や、地域防災拠点の機能強化など、地域における災害対応の充実を図ります。 災害に強い都市づくり 地震や地震火災に強い都市づくり 近い将来に発生が危惧されている大規模地震に備え、緊急輸送路等の整備や上下水道施設の耐震化をはじめとした都市基盤施設の充実、建築物の耐震化、狭あい道路の拡幅整備、緊急輸送路等の無電柱化の推進など、市民生活や横浜経済を支える防災・減災機能を高め、良好で安全な市街地形成を進めることで、地震に強い都市の実現を図ります。 また、「横浜市不燃化推進地域における建築物の不燃化の推進に関する条例(平成26年12月制定)」に基づく防火規制区域内を中心に、建築物の不燃化推進や都市計画道路の整備等による延焼遮断帯の形成、出火防止に資する様々な施策等を進め、燃えにくい燃え広がらない都市の実現を図ります。 局地的な大雨等に強い都市づくり 気候変動の影響等により、増加傾向にある局地的な大雨や、巨大台風の発生に対し、適応の観点も含め、臨海部における高潮対策のほか、河川、下水道、公園緑地、道路など、まちづくりの事業が連動した総合的な浸水対策、グリーンインフラや下水道施設の活用、河川流域の市民等への啓発の充実などにより、「逃げ遅れゼロ」、「社会経済被害の最小化」に向けた減災の取組を推進し、局地的な大雨等に強い都市の実現を図ります。 また、人や都市機能が集中する横浜駅周辺などにおいて、公民連携による浸水対策をはじめとした防災機能を高める取組を推進します。 がけ地現地調査の結果を活用した取組により、民有のがけ地の改善を促進するとともに、道路、公園緑地、学校用地等のがけ地の安全対策を着実に推進します。 方向性 様々な自然災害に対し、被害を最小限に抑え、迅速な復旧・復興につなげる取組を総合的かつ計画的に実施するため、「横浜市防災計画」や「横浜市強靱化地域計画」等を踏まえ、危機対応力の強化や、自助・共助の推進等により、災害に強い人づくり・地域づくりを進め、地震や局地的大雨等に強い、安全で安心な都市を実現します。 【図:地震動予測分布結果(元禄型関東地震)】 資料:総務局「横浜市防災計画」 【図:地震火災による焼失被害想定(元禄型関東地震)】 資料:総務局「横浜市防災計画」 行程表 横浜市強靱化地域計画策定(2018年度)、事前防災・減災に資する強靱な都市づくりの推進 危機対応力の強化、消防本部庁舎完成(2023年度) 横浜市防災計画の減災に資する取組推進 緊急輸送路等の整備推進 建築物等の耐震化の促進 条例に基づく防火規制区域内の不燃化推進、耐火性の高い建築物の建築件数5,700棟(2022年度) 感震ブレーカーの普及促進、設置率10%(2022年度) がけ地対策の推進 幅広い世代への防災教育の充実 充足率100%(2018年度)、消防団員の充足率維持 防災・減災推進員の育成、3,000人(2022年度) 災害時要援護者などに対する地域での自主的な支え合いの取組支援の充実 総合的な浸水対策の推進 「逃げ遅れゼロ」「社会経済被害の最小化」等に向けた取組推進 横浜駅周辺における防災機能の向上(公民連携による浸水対策等) 災害に強い安全で安心な都市の実現 戦略6(2) 『未来を創る強靱な都市づくり』~市民生活と経済活動を支える都市基盤~ 市民生活や横浜経済を支える都市基盤施設の充実 人やモノの往来を支える交通ネットワークの形成 横浜環状道路等の整備により、広域道路ネットワークを形成するとともに、都市計画道路の整備や道路と鉄道の連続立体交差事業などを推進し、市内の道路交通の利便性・安全性の向上を図ることで、市民生活や横浜経済を支える道路ネットワークの形成を進めます。 また、神奈川東部方面線の整備を進めるとともに、高速鉄道3号線延伸(あざみ野~新百合ヶ丘)や横浜環状鉄道など、本市の鉄道構想路線について検討を進め、市内外の拠点間の移動の円滑化や利便性の向上を図り、人や企業を呼び込みます。 国際競争力のある港の実現 東アジアのハブポート機能の強化 南本牧ふ頭や新本牧ふ頭でのコンテナターミナルとロジスティクス施設を一体的に配置した総合物流拠点の形成を図るとともに、国際コンテナ戦略港湾※1の推進組織として設立された横浜川崎国際港湾株式会社と連携し、貨物誘致を進めます。 また、自動車貨物の取扱拠点として大型船に対応した岸壁整備や、船舶の国際的な排出ガス規制の強化等に対応した、LNGバンカリング拠点※2の形成に向けた取組の推進など、東アジアのハブポート機能の強化を図ります。 クルーズ客船の受入環境の充実・誘致推進 新港ふ頭客船ターミナルや大黒ふ頭CIQ施設※3の整備、既存の大さん橋ふ頭などの港全体での多様化するクルーズ客船への対応や、観光客へのおもてなし等の受入環境の充実とともに、関係者と連携した戦略的なクルーズ客船誘致を進め、地域経済の活性化につなげていきます。さらに、多くの市民が港を身近に感じる取組等を推進し、市民が誇れる港を目指します。 公共施設の計画的かつ効果的な保全・更新 公共施設の着実な保全・更新の推進 市民生活や経済活動を支える都市インフラや公共建築物を含む公共施設の老朽化の進行に対し、「横浜市公共施設管理基本方針(平成27年3月策定)」に基づき、確実な点検と長寿命化を基本とした優先度を踏まえた計画的かつ効果的な保全・更新を着実に進め、将来にわたる安全性・強靱性を確保し、必要な機能・サービスの持続的な提供を図ることで、成長の基盤を支える強靱な都市づくりを推進します。 公共建築物の建替えと複合化等による再生 市立小中学校や市営住宅等の公共建築物の建替えなどの機会をとらえ、「横浜市公共建築物の再編整備の方針(平成30年2月策定)」に基づき、事業費の平準化やコスト縮減、多目的化や複合化等を考慮しながら、地域特性や時代のニーズを踏まえた公共建築物へと再生を図ります。 公共事業の品質確保と担い手の確保・育成に向けた取組 質の高い公共施設の保全・更新を安定的に進めるため、新技術の活用や適正工期の確保等を通じて、市内中小企業における担い手の確保・育成と生産性向上を図ります。 ※1 国際コンテナ戦略港湾:大型化が進むコンテナ船に対応し、アジア主要国と遜色のないコスト・サービスの実現を目指すため、選択と集中に基づき京浜港(横浜港、東京港、川崎港)と阪神港を国が選定 ※2 LNGバンカリング拠点:環境負荷の少ないLNG(液化天然ガス)を船舶の燃料として供給するための拠点 ※3 CIQ施設:Customs, Immigration and Quarantineの頭文字で、税関・出入国管理・検疫を行う施設 方向性 将来にわたる持続的な発展や多くの人や企業を呼び込む交通ネットワークの整備、国際競争力のある港などの都市基盤施設の充実を進めるとともに、市民生活と経済活動の基礎となる公共施設の計画的かつ効果的な保全・更新を着実に進め、未来を創る強靱な都市を実現します。 【図:交通ネットワーク・港湾施設等の都市基盤施設】 行程表 横浜環状道路等の整備、横浜環状北西線、横浜環状南線※・横浜湘南道路※、開通(2020年度)、供用 ※土地収用法に基づく手続による用地取得等が速やかに完了する場合 相鉄線(星川駅~天王町駅)全線高架化(2018年度)、連続立体交差事業の推進、相鉄線(鶴ヶ峰駅付近)の事業推進 神奈川東部方面線の整備、相鉄・JR直通線開業(2019年度)、相鉄・東急直通線開業(2022年度)、供用 高速鉄道3号線の延伸 事業化検討・推進 南本牧ふ頭 MC-4コンテナターミナル、供用(2019年度)、ロジスティクス用地の整備・供用 新本牧ふ頭、環境影響評価、着工、一部供用 クルーズ客船・貨物取扱機能の強化、新港客船ターミナル、供用(2019年度)、自動車専用船岸壁一部供用(2019年度)、供用(2020年度)、クルーズ客船・貨物の誘致推進 公共施設の計画的かつ効果的な保全・更新の推進 横浜市公共建築物の再編整備の方針策定(2018年)、時代のニーズに対応した公共建築物への再生 市民生活と経済活動を支える都市基盤の実現