第54回横浜市発達障害検討委員会会議録 日時 令和4年1月18日火曜日 午後1時59分〜午後3時59分 開催場所 ウィリング横浜5階 研修室501 出席者 渡部委員、平田委員、谷崎委員、高木委員、桜井委員、池田委員、坂上委員、中野委員 欠席者 小川委員、寺田委員 開催形態 公開 議題 (1)令和3年度 横浜市発達障害検討委員会の進め方について (2)発達障害児・者に係る施策の取組について  ア 地域療育センターの抜本的な見直しについて  イ 学齢後期障害児支援事業について  ウ 「発達障害地域連携プログラム」の実施状況について  エ 「視覚障害者等の読書環境の整備に関する法律(読書バリアフリー法)」に基づく本市取組の検討状況について【資料5】 議事 (1)事務局あいさつ (田辺係長)ただいまから第54回発達障害検討委員会を開催させていただきます。本日、司会進行を務めます健康福祉局障害施策推進課の田辺と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は傍聴の方がお三方いらっしゃいますが、議事に先立ちましてお願いを申し上げたいと思います。本日はお越しくださいまして誠にありがとうございます。事前に受付させていただいたときに会議の円滑な進行を図るためということで幾つかお願い事をしておりますが、そちらにご協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。  初めに、本来であればここで健康福祉局障害福祉保健部長の上條からご挨拶を申し上げるべきところなのですが、大変申し訳ございません、本日は急遽欠席ということで、代わりまして障害施策推進課長の佐渡から挨拶を代読という形でさせていただきます。では、お願いいたします。 (佐渡課長)障害施策推進課長の佐渡です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。昨年もコロナで1回この委員会が開けなかったので、久しぶりのリアルでの会議という形になります。部長の挨拶文を預かってまいりましたので、代読させていただければと思います。  本日は、お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。今年度は上半期と下半期にそれぞれ1回ずつ計2回の検討委員会開催を予定しておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、3年8月に予定していた検討委員会は開催を中止させていただきました。したがって、今回が今年度初の検討委員会開催となります。  今年度の検討委員会では、横浜市の発達障害児・者への施策展開に関する取組の評価・検証を中心とした議論を行っていただくことを想定しております。平成30年度から令和2年度までの2年間、軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを伴わない発達障害児・者への支援というテーマで検討を続けてまいりました。特に令和元年度の検討委員会では、横浜市長からの諮問を受け、これら対象者への具体的な施策展開をどうすべきかについて議論いただきました。議論の内容をまとめ、令和2年6月に、本検討委員会の本体会議である横浜市障害者施策推進協議会から横浜市長へ答申を頂きました。本日のこの検討委員会の中では、答申内容に関連する横浜市の施策展開の取組状況についてご報告させていただきます。これらについては定期的に確認や検証を行うことが重要と考えております。本日の検討委員会の中でも委員の皆様それぞれのお立場からご意見を頂き、それを横浜市の施策に生かしていきたいと考えております。委員の皆様におかれましては、本日もどうかご活発にご議論いただき、各方面から貴重なご意見を賜りますようお願い申し上げ、私からのご挨拶とさせていただきます。  代読させていただきました。以上でございます。 (田辺係長)  ありがとうございました。では、続きまして、議事に入る前に、委員の一部改選についてご報告させていただきます。横浜市発達障害者支援センターにつきまして、センター長の交代に伴って令和3年6月3日付で委員を改選しております。では、新たに任命された委員のご紹介をさせていただきます。横浜市発達障害者支援センター長の桜井美佳委員でございます。  なお、これまで委員を務めてくださっていた西尾紀子氏につきましては、センター長の交代に伴いまして令和3年6月3日付でその職を解いております。改めまして、ここに在任中のご協力を深く感謝申し上げたいと思っております。  それでは、本日の出席者数の確認をさせていただきます。本日の会議ですが、小川委員と寺田委員がご欠席ということでご連絡を頂戴しております。したがいまして、委員10名のうち8名ご出席となっております。横浜市発達障害検討委員会運営要綱第7条第2項に規定しております委員の過半数を満たしていることをご報告いたします。  次に、今回が今年度初の委員会となりますので、事務局の紹介をさせていただきます。本日は時間の都合上、異動や役職名の変更があった職員と、新たに事務局に加わった職員のみ紹介させていただきます。資料の4ページとともにご覧いただければと思います。  まず、健康福祉局障害施設サービス課長の高橋でございます。  同じく健康福祉局精神保健福祉課長の中村でございます。  続きまして、こども青少年局企画調整課長の田口、本日欠席でございます。  同じくこども青少年局障害児福祉保健課長の及川でございます。  同じくこども青少年局青少年相談センター所長の小栗でございます。  同じくこども青少年局子育て支援課長の小田、本日欠席でございます。  同じくこども青少年局子育て支援課人材育成・向上支援担当課長の野澤、本日欠席でございます。  続きまして、教育委員会事務局インクルーシブ教育エグゼグティブマネジャーの佐藤でございます。  同じく教育委員会事務局特別支援教育課長の高木でございます。  同じく教育委員会事務局特別支援教育相談課長の畠山、本日欠席でございます。  以上が異動や役職名の変更、また、新たに事務局に加わった職員でございます。  それでは、ここからは渡部委員長にご挨拶をお願いし、以降の議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 (渡部委員長)今回、新年明けてということになりますので、本年もどうぞよろしくお願いします。それでは、早速議事に入らせていただきます。 議題 (1)令和3年度 横浜市発達障害検討委員会の進め方について (渡部委員長)まず議題の1、令和3年度横浜市発達障害検討委員会の進め方につきましては、私から説明させていただきます。お手元の資料1をお開きください。先ほど冒頭の上條部長のご挨拶とも重複しますけれども、令和2年6月に答申いたしまして、中段のイメージ図にありますように、答申に記載した内容については横浜市が具体的な施策として展開するということ、そして地域社会の様々な主体がそれぞれ取組を進めるということになっております。それについて、取組状況や取組による効果等について定期的な確認・検証を行うことの重要性を併せて答申の中で指摘させていただきました。つきましては、本年度、令和3年度につきましては、この定期的な確認・検証ということで進めてまいりたいと思っております。実は1回目がコロナの影響で中止ということになりましたので、今年度は1回ということ、今日になりますが、これまでの取組につきましてご報告いただき確認するとともに、様々ご質問・ご意見を頂く中で検証ということで進めてまいりたいと思っております。  簡単ではございますが、以上、資料1を基に今年度の進め方について説明させていただきました。以上につきまして何かご質問・ご意見いかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、この進め方に基づきまして、この後の議題を順次進めてまいりたいと思います。次第にありますように、今回、答申内容について、アからエ、そしてそれぞれT、U、V、Wと、大まかな答申の概要がイメージできるような形で資料をつくっていただいておりますので、今回はその中でそれぞれ重点的な事項についてご報告いただき、質疑を進めてまいりたいと思います。 (2)発達障害児・者に係る施策の取組について  ア 地域療育センターの抜本的な見直しについて (渡部委員長)それでは、2つ目の議題、その中でア、地域療育センターの抜本的な見直しについて、これから進めてまいりたいと思います。まず事務局から概要についてご説明をお願いいたします。 (及川課長)こども青少年局障害児福祉保健課の及川と申します。よろしくお願いいたします。  令和2年6月の答申の中では、地域療育センターの療育体制の抜本的な見直しを答申いただきました。さらに、見直しに当たっては、本答申の範囲を超える内容も含まれていることから、答申の内容を考慮し、別途検討の場を設けることが必要ですということで頂いております。これを踏まえまして、これまで検討してきた内容等についてご説明させていただきたいと思います。具体的な内容については、担当係長の田島からご報告させていただきます。 (田島係長)こども青少年局障害児福祉保健課担当係長の田島でございます。お手元の資料2に沿ってご説明させていただきます。  まず、地域療育センターの機能の見直しにつきましては、検討会の中でも喫緊に解決すべき課題ということで挙げていただいた6つの課題のうち、未就学のお子さんに対する支援体制の充実に係るものでございます。療育センターはご存じのとおり、10年ぐらい前から発達障害児のお子さんの増加に伴って利用希望のお子さんが非常に増加しておりまして、この10年間で約2倍という数になっております。このため、利用を申し込んでからサービスに至るまで、初診待期期間とよく言われますけれども、サービスに行き着くまで例えば4か月とか、長いセンターですと半年かかるような現状がございます。これに対して、どうにかしないとということで議論いただいたところでございます。この間、私どものほうでもお医者さんを増やして何とか診療枠を増やして待期期間を減らそうというような取組もしてきたのですが、この分野の先生方の数が多くないということもございまして、たくさんの先生をお呼びすることが難しいことですとか、お一人増やしてもすぐそれを上回る利用希望児の方が申込みをされていたちごっこということで、数の問題として解決するのはなかなか難しいと感じていたところでございます。そのときに、この会で議論いただきまして、数の問題もあるのですが、例えば保育園で障害のあるお子さんの受入れが進んでいるとか、民間の事業所が増えていろいろな選択肢ができているという、質といいますか利用面での問題も含めて抜本的に療育センターの見直しが必要であろうということで、ご議論いただいたところでございます。  具体的には、療育センターは知的障害のお子さんですとか肢体不自由児のお子さんにも対応しておりますので、発達障害のお子さんだけではなく全体を含めた議論をしたほうがいいだろうということになりまして、その方向に従いまして、地域療育センターの代表、あるいは運営法人の代表、及び我々障害児福祉保健課で検討会を組んで検討を進めてきたところでございます。  この検討会の中で、地域療育センターの見直しに当たって幾つかの指針というのを頂いております。例えば、今その初診待機という問題が大きくクローズアップされるところとしては、そもそも療育センターが、申し込んだ後お医者さんの診察を必ず通らなければいけないという仕組みを自らつくっている部分もありまして、そういった、本当に全員が初めからお医者さんにかからなければいけないのかと考えると、多様な相談に対して多様な受け止めがあってもいいだろうということで、福祉的な相談機能も充実させなさいというようなご指摘を頂いております。  また、地域療育センターの主要なサービスとして、通園療育という集団療育のメニューがあるのですが、以前、障害のあるお子さんは療育センターに行くか保育園に行くかという二者択一だったところが、今は保育園でも受入れが進んで、併用したい、両方行きたいという希望も増えているので、いろいろな集団療育の利用形態があってもいいだろうと。そういうところも視点として議論してくださいというようなご指摘を頂いておりましたので、今その方向に従って検討を進めているところです。  具体的な内容は、資料2の2のところに検討の方向性ということで記載させていただいております。まず、相談体制の強化については、これまで申込みの後は必ずお医者さんの診察を通してからサービスを受けていくというところがあったのですが、やはり相談内容もいろいろ多様化していまして、必ず最初にお医者さんの診察を受けるということでもないだろうと。相談内容によってはソーシャルワーカーであったり、福祉的な対応が望ましい場合もあるということで、相談内容に応じて福祉的な面接をしていくというようなところを制度化していく形で検討しております。その中で、ソーシャルワーカーに加えまして、新たに心理職などを配置することで、お子さんの発達の状況を初期の段階で把握して支援に結びつけていこうということですとか、相談だけではなくて、親子で遊びを通しながら相談したり、心配事を見ていかれるような場として「広場事業」と書いていますが、親子で集える場を充実していこう、そういった内容を今、検討しているところでございます。  また、集団療育につきましても、週5日、毎日療育センターに通うお子さんばかりではありませんので、例えば保育園に行きながら療育を受けられる、週1日療育センターに通いながら、残りの日は保育園に行って、その場に療育センターのスタッフが行って現場でも指導ができるような、そういった仕組みづくりもやっていきたいと考えています。  こういった方向性を中心に、令和4年度から少しずつ着手していきたいということで、今、予算編成中ではございますが、一部の仕組みについて実施できるように検討しております。大きな動きとしては令和5年度以降になるかなというところですけれども、この検討会で頂いた内容が少しずつ4年度から実施できるかなと思っておりますので、また次の回ぐらいにはそういった取組の内容がご報告できるのではないかと思っております。  説明は以上です。 (渡部委員長)ありがとうございました。この後、ご質問・ご意見ということになるわけですが、本委員会の委員でもある中部地域療育センター所長の高木先生がお見えですので、高木先生からもこれに関連してご発言をまず最初に頂ければと思いますが、よろしいでしょうか。 (高木委員)ご指名いただきましたので、思いつく範囲でお話しさせていただきます。世の中が少子化に向かっているのですが、相談のお子様たち、親御さんはここ5年間でも1.5倍ぐらいになっていて、もうとにかく右肩上がりで増え続けています。その中でやはりIQの高い方たちがたくさんいらっしゃるようになっていて、統計的にもそうなのですが、3人中お二人は知的に軽度から知的の問題がない発達障害の方たちがいらっしゃっている。そういう現状から考えると、施策そのものも通園ありきという、幼稚園や保育所等に行けない方たちが療育センターに来るのではなくて、それからまた働き方改革もあって、3歳あたりでご相談にお見えになる方はIQが高くても低くても保育園に行っていらっしゃる方がとても多いので、IQがものすごく低くても通園に来るのではなくて、保育園の中でサポートを受けられるようにという意味でのアウトリーチ支援も必要になってきているという、重い方は全員療育センターという時代でももうなくなってきたという現状があります。  学齢のほうも、学校に行かれてやはり学校に行きづらくなってしまう方とか、勉強だけではなくてソーシャルスキルの問題、それからご家族が、最近感じるのは、民間さんが増えたことによって、どこに連れていったら教えてもらえるかという親御さんが増えてきているので、結局そこが障害の把握とか受け止めよりも実を取ってしまうので、学齢に行くと普通の子供さんも扱いにくくなるのですが、発達障害があるお子さんたちは苦しくなってもなかなか親御さんと相談が広がらなくて、学校にも受皿をたくさんつくっていかなければいけない現状が出てきています。そうなってくると、IQが高い通常のクラスに行っていらっしゃる方たちにどんなサポートが要るかということも、これから先、療育センターが抱えなくてはならない問題にもうなってきたというふうに思います。  医療がなくてもよいというお話もあったのですが、今の仕組みが、保育所の先生を増やすためには診断書が要りますといって、結局、診断書ありきで行く仕組みも一方で出来上がっているわけですよね。ですから、そこもうまく、診断書でなくても保育所の先生方がサポートを受けられるような仕組みの改革がないと、医療を後回しにしても、結局医療に入らないと支援ができないみたいな、ちょっと今そこにひずみがあるかなと感じたりしています。思いつくことはそのあたりです。 (渡部委員長)ありがとうございます。それでは、ただいまの説明、あと、高木先生からのお話もございましたが、ご質問・ご意見等いかがでしょうか。  それでは、私から最初に確認も込めて質問させていただきます。高木先生のお話にもアウトリーチ型の支援ということで、実際に検討の方向性の(2)のところにも訪問支援を組み合わせてという、この方向は大変いい方向ではないかと思っているのですが、この訪問支援というのをどのくらいの密度で進めていくか。恐らく保育所にどのくらい、回数の問題だけではないと思いますが、どのくらい訪問を行い必要な助言等を行っていくような構想で今進めていらっしゃるかというあたりを少しお聞かせいただいてよろしいでしょうか。 (田島係長)保育園の訪問については、巡回訪問といいまして、保育園が療育センターに申し込んで、来たら園全体を見渡して先生方のスキルをアップしていただくような支援が今メインになっています。申込みのある園、ない園というのもありますし、具体的に何園行くというのを決めているわけではなくて必要な回数ということにはなると思いますが、聞いていると年2〜3回、1〜2回、おおむね2回ぐらい来てくれるとうれしいなというお声があるように認識しています。現在のところ1回行けるか行けないかというような回数が実績かなと思いますので、希望のある園については2回ぐらい行けると、という形で思ってはいます。 (渡部委員長)そうしますと、基本的には年2回は訪問で行けるぐらいの体制の中で今後の実施が検討されているというような理解でよろしいでしょうか。 (田島係長)そうですね、人材育成も含めまして人を増やすことについては複数年かかるかなということで、令和4年度に着手しまして何年かかるかなというところではありますが、巡回に関してはそういったイメージで検討は進めております。 (渡部委員長)ほかにいかがでしょうか。平田委員、お願いします。 (平田委員)地域療育センターに私も従前から関わらせていただいたり、幼稚園さんにも、近くの子供たちが幼稚園に通っておりまして、療育センターの先生方が、私の印象ですとかなり頻繁にお越しくださっています。これは地域によってもかなり異なってくると思いますが、そちらの幼稚園の先生方もこういったアウトリーチの訪問支援を大変ありがたがっていらっしゃいますので、できれば学期に1回ぐらいというようなご希望を以前承ったことがございます。  私からの質問は今の点からそれるのですが、ちょっと気になっておりますのは、資料2では地域療育センターの機能の見直しという表現で書かれておりますが、実は今日の議題でも、6月の提言でも、地域療育センターの抜本的な見直しという表現なんですね。この抜本的なという部分のニュアンスというのでしょうか、内容というのでしょうか、そんなにドラスティックに変革するというのはなかなか、現在進行形の療育でございますので難しいかと思いますが、従前から引っかかっております抜本的なというところはどのように理解していったらよろしいでしょうか。 (渡部委員長)事務局、いかがでしょうか。 (田島係長)抜本的なというとすごく大きな宿題を頂いてしまったというところはあるのですが、今後、市でもはっきりと打ち出しをしていかなければいけない部分かと思います。イメージという形で今お伝えできるのであれば、障害のある方を受け入れて皆さんこちらに通ってくださいねという形で通園療育を中心にやってきたというところから、今後はノーマライゼーションということで障害のあるお子さんもないお子さんも地域で育つ、そういうところを支援できる訪問型の支援を中心としたところになっていくのかなという感じはしています。保育園等で受入れが難しいお子さんというのは今もいらっしゃいますので、そういったお子さんをしっかり通園療育で見ながら、保育園で生活できるお子さんを地域で支援していく、出ていくという形に変えていくところが重要かなと思っています。それをどこまでドラスティックに打ち出せるかというところはあるのですが、今そのような形で検討は進めております。 (平田委員)ありがとうございます。そうしますと、理解としては、今ご説明いただきました内容というのは、従来からの地域療育センターの機能の充実でございますよね。充実、それから部分的な改善、広場事業なんていうのも、私の知っているところではにこにこ広場という事業をやっていらっしゃるセンターさんもありますし、それぞれのセンター、運営法人でかなり努力されているところかと思います。したがって、従来からの療育センターの機能の充実、改善、それに加えて、いわゆる地域支援、訪問支援、これが加わるというのが抜本的なという理解でよろしいでしょうか。 (田島係長)地域支援は従来からやっている部分もありますので、そのウエートが変わっていくかなという部分かと思いますが、今回の見直しだけで一気に進めるというよりは、地域の実情ですとかニーズに応じて、これまで地域療育センターもそれぞれが試行的あるいは先進的に取り組んできた部分をきちんと市の施策として位置づけるということもありますので、見た目といいますか、それはもう徐々に変わってきている部分かなと思う部分もあります。ですので、そこが抜本的とかドラスティックと言われるとなかなか難しいところではあるのですが、緩やかに現場の努力で変わってきた部分をしっかりと位置づけて予算を取っていくというようなイメージで我々はおります。 (平田委員)ありがとうございました。 (高木委員)さっきは解説者のようになったので、今回はご質問させていただきます。センター長で言うのも何ですが、すみません。こうやって支援体制が変わっていく中で、先ほどお伝えしたように民間さんが参入してきているので、民間のほうが実はコマーシャルとかを上手に展開されて、行政主体でやっているところよりもとても魅力的なプログラムっぽく見えるものがいっぱい出回ってきているのですが、そこでやはり保護者の方が育ちにくいベースがあって、それがまた学校にひずみを生んでしまうというのを考えると、早い時期に、この1番目、2番目のほかには保護者の支援をどのようにお考えなのか。もう一つは、広場事業というのは入り口で広く相談に乗りますという、どちらかというと間口を広げていく。ただ、実際には新しい療育であったり、本当は横浜はそういう中身のほうを充実させていくことによって、民間さんもそういったことは取り入れつつあるので、そういう意味で中身を変えていく、療育の中身も刷新されていくことが必要な時代になってきているかなと。そうなると、心理教育とかいろいろなところにも新しい考え方がたくさん入ってくるようになっているので、その中身と、それから、先ほどの保護者の方へのサポートをどのように拡充していくかということについてはどのように進めておられるのか知りたいです。 (田島係長)所長に聞かれてしまうとなかなか答えにくいところはあるのですが、今回、令和4年度に実施可能な部分を中心にご説明させていただきましたが、この検討会の中でも、医療の見直しと集団療育の見直しの次の3番目に、総合評価機能に基づく専門性の高い障害児相談支援の充実というのが実は挙げられております。これは民間ですとかいろいろなサービスを選択できる中にあって、地域療育センターの専門性というのは何だろうというのを検討したときに、やはり保護者の方にきちんと障害を理解していただくといったところも含めて、お子さんがどういうサービスを使ったら生活がしやすくなるか、将来的に豊かな生活ができるかという部分で、プランニングですとかサービスの効果を見ていく、そういった相談機能の充実というところが一番、療育センターが力を発揮できるところだろうというような検討があります。今回、そこを令和4年度に取り組むというところではまだ十分にお伝えできないのですが、それをどうやっていくかという検討は進めているところですので、今後、全体の仕組みづくりを具体的にし、それを実施していく中で、やはりこの相談機能というのが本来中心になってくると考えておりますので、引き続き検討を進めて実現に向けて努力していきたいと考えております。 (渡部委員長)最後にこれだけ確認して終わっていいですか。専門性の高いということについては、それが保護者支援ということを指しているのでしょうか。専門性の高いというのは、間口を広げていったときに、間口を広げて対応する部分と、より高度な、その子に合った必要な支援を提供するという意味での専門性ということも高度なということを意味するような気もしますし、一方で、保護者に対してどう支援を行っていくのか。相談とともに必要な学び、学びという言い方は変かもしれませんが、そういうことに取り組んでいくということが新たな項目の、今はありませんが、ここでいえば(3)に当たる部分というのが何か含み込まれたような感じのご説明だったので、保護者支援は保護者支援としてしっかりと根づき、高度な専門性のある支援は支援としてというような位置づけも必要な気がするので、そのあたり、意見としてご検討いただければと思います。  よろしいでしょうか。また今後、そうすると、令和4年度に一部着手ということについてご報告を頂いて、順次、令和5年度を目指してということでしょうか、引き続きよろしくお願いいたします。 イ 学齢後期障害児支援事業について (渡部委員長)それでは、続いてイの学齢後期障害児支援事業につきまして、最初に事務局からご説明をお願いしたいと思います。 (及川課長)学齢後期障害児支援事業につきましては、答申の中では、学齢後期障害児支援事業の体制強化について、事業拡大の方法について早急に検討を開始することという答申を頂いております。これを踏まえまして、学齢後期障害児支援事業体制強化に向けた取組の実施状況、現在の状況について具体的な内容を担当係長の嶋田からご説明させていただきますので、よろしくお願いします。 (嶋田係長)障害児福祉保健課の担当係長嶋田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。今申し上げましたとおり、学齢後期障害児支援事業について、体制強化に向けて取組を今進めておりますので、そのご報告になります。  まず、今やっていることとしましては、資料の1番にございます学齢後期障害児支援事業所との意見交換会の開催、これを今、具体的にやらせていただいております。学齢後期障害児支援事業を担っていただいております小児療育相談センター、総合リハビリテーションセンター、学齢後期発達相談室くらす、この3事業所の皆さんに集まっていただきまして、この事業の役割・機能に係る課題解決や体制強化に関する具体的なアイデアを出していただく。そして、市民ニーズ等を踏まえた事業拡大の方向性について意見交換をしていただいております。  この10月から集まりまして月1回程度意見交換を行っておりますけれども、(1)これまでの実施状況でございます。まず10月は現状把握で、11月、12月あたりからは課題の整理を進めさせていただいております。事務局をこちらでやっておりますが、議事録をつくるのが大変なぐらい非常に活発なご意見をいただいておりまして、学齢後期障害児支援事業の課題だけではなく、学齢後期の障害児支援全体の課題、またその中でも学齢後期の発達障害児の支援に関する課題、さらにその中でも軽度の方の発達障害のある学齢後期の児童の課題、こういったことも広くいろいろ意見を頂いております。かなり広い意見になりますので、そういった部分、全体的な話と、この事業に関する課題を整理しながら、この意見交換を進めさせていただいているところでございます。  ここまで出てきた主な課題というものを資料の中に4つほど挙げさせていただきました。1つが、まずはこの事業の周知について。市民、事業者、関係機関向けにどのようにこの事業を周知していくか。これを課題と挙げさせていただいていますのは、実際に例えばリハビリテーションセンター等に通っていらっしゃった方も継続的に相談・支援を受けていらっしゃるのですが、それが学齢後期の障害児支援事業としての支援を受けているかどうか、そういったことのご理解が不十分であったりします。例えばリハビリテーションセンターに通っている方が、改めて学齢後期の相談をくらすにしたいといったようなニーズもございます。こういったこともありますので、本事業の周知について課題として今、各事業所から挙がっているところでございます。また、2点目としましては、関係機関との連携、これは主に学校、学校といっても特別支援学校だけではなく、一般の高等学校等含めた、こういった学校との連携に関しても今、課題として挙げられているところでございます。3点目としましては、この学齢後期障害児支援事業にご相談いただいた皆様が今度18歳以上になられたときの移行に関する支援をどうしていくか、こういったことも課題として挙げております。そのほか、今後増加するニーズを踏まえてどのようにこの事業が拡大していくのか、どのようなことが求められていくのか、このあたりを中心に今、課題の整理をしているところでございます。  今後の予定になりますけれども、引き続きこの意見交換は開催してまいります。年度内に一旦課題等の整理をさせていただきたいというのが、今考えているところでございます。次年度につきましては、その課題解決に向けた具体的な取組を検討したいという考えを持っております。  本日この場でご報告させていただきます一つの目的に、2番に書かせていただきましたその他のところでございますが、この3事業所との意見交換内容も踏まえて、そのほか発達障害者支援センター等の関係機関とも意見交換を行っていきたいと思うのですが、学識経験者、障害児・者の福祉・医療に関する事業に従事する者、障害児・者やその家族の皆様――こういう書き方をしておりますが、発達障害検討委員会、この場の一部の委員の方にご協力いただきながら、学齢後期の障害児支援事業の検討会というものを今後設置させていただきたいと思っております。今は具体的なことをまだ申し上げられないのですが、近々こういったご依頼をさせていただきますので、本日は予告という形でお話しさせていただきました。  それらも含めた今後の具体的なスケジュールになりますが、令和4年度上半期に今申し上げました検討会の開催をさせていただき、下半期にはある程度この検討のまとめをさせていただきたいと思います。ある程度スピード感を持って進めさせていただきたいと思っておりますのは、実は令和5年度に、現在担っていただいている3事業所の分も含めて、学齢後期障害児支援事業所の業者選定を実施する予定となっております。前回はプロポーザル方式ということで、各事業所から提案を頂く形で業者選定を行ったのですが、6年度以降の事業に関する業者選定を5年度に実施しますので、それに間に合う形で具体的な議論を整理していきたいと考えております。  説明は以上でございます。 (渡部委員長)ありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、ご質問・ご意見はいかがでしょうか。お願いします。 (桜井委員)私も3月までくらすのほうで働いていたのですごく関心のあるテーマではあるのですが、1点、次年度以降に意見交換の検討会を行うということで、学齢後期の事業では、やはり教育との連携というのが非常に難しい部分でもあり必要な部分でもあり大きく関わってくる部分ですので、ぜひこの検討会のメンバーというか話合いに入っていただく方の中に教育関係の位置づけというか、教育委員会がいいのか学校の先生がいいのか、ちょっとその辺までは今この場では分かりませんが、ぜひ教育の立場のご意見も頂けるような方に入っていただけるといいのではないかと思います。 (嶋田係長)ありがとうございます。今のところ、この発達障害検討委員会のメンバーを中心にと考えておりますが、今ご意見を頂きました教育関係をはじめとして参加については別途必要に応じて検討していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 (渡部委員長)高木委員、お願いいたします。 (高木委員)学齢後期はやはり非常に関心の高い部分でして、いろいろな事件が学齢後期の現場で起こっていると思います。小学校の高学年から運営が、親の手を離れてとても苦しい何年間かになって、伏魔殿になるのです。教育の側とか、LD教育とか、そういう学会とかで見ていても、特別支援の先生方でそういうことを勉強されている方の8割、9割が小学校の先生で、中・高の教員の先生方の関心が低いわけではないのですが、その辺の人材育成で日本全体が立ち遅れている現状があります。高等学校になるともう行かなくなったら終わりなんですよね。義務教育のうちは行かなくても何とか受皿をつくろうというような、ハートフルだったりいろいろな事業を展開されているのですが、高等学校はもう行かない人は知らないという言い方は変ですけれども、先生方も手の施しようがなくなっていくし、関心もそこには向け切れないという現状があります。本当に発達障害のお子さんたちがたくさん増えているので、小学校もそうなのですが通級指導教室が膨れ上がって、今、特別支援教育は特別なスペシャルな別枠ではなく、通常の学級の中に特別支援がたくさん入る時代になっているので、先駆的に取り組んでいるところは、小学校なのですが、通常の学級の先生と特別支援の、巡回で回るようなスーパーバイズできる地域支援のマネジャーみたいなのが今福祉にはあるのですが、そういう特別支援教育を成熟してやっていらっしゃる。それは引退された先生でもいいのですが、事務ティーチングを入れるとか、そういう抜本的に教育の中に入り込んでいく。ただ連携を取ってスーパーバイズをちょこっと受けるのではなくて、やはり教育の先生方の大変さというのは毎日なのでちょこっと受けただけではどうにもならないものもあるし、子供さんも本当に苦しいので、そういう抜本的な連携の取り方のところで話合いを進めていって、横浜がそこで新たに新しい仕組みをつくってほしいと思います。  もう一つは、成人への移行支援です。一般の人たちは高校卒業して働く方もいらっしゃいますが、短大とか専門学校、4年制の大学、6年の大学もありますけれども、そういったところで成人への移行は学生さんでやるのですが、特別支援教育を受けている方たちは、18歳になったら福祉の手立てを受けるか、社会人になれ、みたいな話になるわけです。ここの隙間の3年から5年あたりのところが空洞化していて、特に高機能の、能力は高いのだけど、なかなか学校というところで過ごしていてもうまくなじめないし、ましてや社会に出るための、社会人になるための勉強をする場が本当にないんですね。ですから、成人への移行支援というのも、これはほぼほぼ手つかずに近いのではないかと思います。この2点については新しい視点を持ってやっていくというので、教育の方たちと就労の方たちを入れて抜本的にやっていただきたいなと考えていますが、いかがでしょうか。 (渡部委員長)新しい視点というキーワードもありましたが、事務局、いかがでしょうか。 (嶋田係長)ありがとうございます。私のほうから回答させていただきたいと思います。この意見交換会の中におきましても、教育の話と成人の話が5分に1回出てくるぐらい頻繁に出てきております。私どもも含めて、そんなに簡単にはいかない非常に難しい問題という認識を持っておりますけれども、この発達障害検討委員会の事務局もそうですが、教育委員会と健康福祉局とこども青少年局が比較的庁内でも連携を取りながら取組を進めておりますので、この連携を大切にしながら、難しい課題ではありますけれども乗り越えていきたいと思っております。 (渡部委員長)貴重なご意見を頂きましたので、ぜひそのことについても併せてご検討いただきたいと思います。  私から1点、これまでのこの発達障害検討委員会の中で、学齢後期発達相談室くらすというものを設置し、そしてもう一か所、西部方面にというようなお話が頭の片隅に残ってはいるのですが、そのことについてあまり、先ほどの令和6年度以降事業の業者選定というところに入ってくることなのかもしれませんが、もう一か所ということについて、たしか検討されていくような記憶がありますので、そのあたりについて状況をお伺いしてもよろしいですか。 (嶋田係長)分かりました。まず、今回の資料の中で4か所目ということが明記できておりませんが、これは将来的な予算にも関わる事項でございますので、直接的な表現に関してはちょっと控えさせていただきました。ただ、この体制強化という中には4か所目の議論も含めたものと考えております。また、4か所目の場所ですとか、実際に受けていただく事業所等につきましては、こちら側だけの事情で決められることではありませんので、来年以降の検討会等含めて慎重に議論しながら進めさせていただきたいと思っております。 (渡部委員長)よろしくお願いいたします。 (池田委員)私は就労の現場で支援をしておりますので、この成人期の移行というところについて、就労支援をしている立場から感じたことを少しお話ししようかと思います。学校を離れて支援が途切れてしまった方の就労支援の大変さはもう大分周知されてきたかと思います。なので、この学齢後期の支援に対する期待というのはとても大きくて、理想を言えば着実に次につなげていただけるといいなと思うのですが、先ほど高木先生がおっしゃってくださったように、特に診断のない方や軽度の方はつなぎ先がなかったりするのです。かろうじて相談機関につながったとしても、この年代の方を相談機関だけで支援するのは難しくて、集団の中で学べることや働く力を身につけられることはものすごく大きいと思うのです。これは少し今回のテーマとずれてしまうかもしれませんが、成人期でも就労支援においても診断なしで使えるサービス、福祉サービス――いわゆる自立訓練や就労移行は診断なしで、もちろん利用が適切かどうかという相談はお受けしないといけませんが、軽度の方とか診断に抵抗がある、医療機関に抵抗がある、診断名を知らされていないなどいろいろな事情で、相談のみで自己理解を深めて診断名を理解してからでないと集団に入れない、それが集団の中でそういう理解が深められるといいなと、そんなことを現場で感じておりますので、特にこの成人期への移行支援というのは期待しております。 (嶋田係長)ありがとうございます。もしよろしければ改めて意見交換等させていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。今おっしゃっていただいた自立訓練ですとか、いわゆる障害福祉サービスといわれるものにつきましては国の法定事業でもありますので、もちろん診断がつかない方も利用できるようにというところはあるのですが、一方で国の制度上の制約もございますので、そういった課題はございますが、ご意見は承りました。 (渡部委員長)今、事務局からお話しいただきましたように、改めて聴き取り等していただいて、課題についてどのように対応するか、大きなテーマではありますけれども、非常に課題のあるところだと思いますので、ぜひそのあたりは意見の聴き取り等、そしてできるだけこの検討という中に可能なものは組み込んでいただいてということでお願いできたらと思います。 (嶋田係長)分かりました。 (渡部委員長)よろしいでしょうか。坂上委員、お願いします。 (坂上委員)よろしくお願いいたします。この企画案というかこれを見させていただいて保護者としてはとてもうれしいのですが、横浜市はとても大きい行政なのでうちの子たちに果たしてこのチャンスが回ってくるのだろうかと。実際これを周知したとして、何人に一人がその恩恵にあずかれるのかということを考えると、本当にできるのかなという疑問がとても大きくあります。親の会の活動をやっていてよく思うのが、やはり小さい頃からそういう場に出てきている子でないと、中高生になっても来ないのです。中高生ぐらいになって親が駆け込んできているおうちのお子さんたちに、お母さん経由でよかったらこういうのがあるからどう?と言っても大体、親が子供に話をしてもそんなのいいとか行かないとか言われて、困っているだけで参加するということができないのです。なので、今の話の流れとはちょっとずれると思いますが、少子化とはいえ子供はいて、子供が健全に育つという観点からいくと、この議論とセットでやはり子供の居場所をきちんと確保して、社会で育てるということをしていってほしいなと思います。こういうところを幾らつくっても、子供の足で実際通えるかという話になると、片道1時間半以上かけて通うというのは親子にとってはとても負担で、やはり通いなれたところで、例えばある地区センターとか、スポーツ施設のある地区センターとか、図書館でもいいし学校でもいいけれども、子供がなじみのあるところで相談を受けるというような形で、量的にも増やす方向というのは考えてほしいです。少子化で公園とかもすごく使いづらくて、サッカー駄目とか野球駄目とかって、みんなが使いたい多数の意見が優先されるのは分かりますが、中高生のいろいろな事件が起きるのを見ると、やはり子供の居場所が家と学校でしかないぐらい、幅がとても狭いなと感じます。なので、この辺ところ、全体としてどうあったらいいのかという話合いの中で、学齢後期の支援事業というのも一緒に考えていただけるといいなと思いました。 (渡部委員長)貴重なご発言ありがとうございます。まずは必要な支援が行き届くような実施体制ということと、子供たちの、子供たちというとおかしいかもしれませんが、中学生、高校生の居場所ということ、大きく2点ほどご発言いただいたかと思いますが、事務局、これについていかがでしょうか。 (嶋田係長)ありがとうございます。途中でも申し上げたのですが、学齢後期の発達障害児の支援というと非常に大きいテーマだと思っておりまして、決してこの学齢後期障害児支援事業だけでカバーできるものではないと、そういう認識は持っております。ただ、この事業につきましては、専門的な相談支援機関ではありますので、そのほかの地域の相談支援機関とどのように連携を図っていくのか、そういうことも含めて考えながらこの議論を進めていくべきだと考えております。 (渡部委員長)期待しておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。それでは、一旦終了させていただきまして、ウに入ってまいりたいと思います。 ウ 「発達障害地域連携プログラム」の実施状況について (渡部委員長)発達障害地域連携プログラムの実施状況につきまして、まず事務局からご説明をお願いいたします。 (佐渡課長)障害施策推進課の佐渡からご説明させていただきます。資料4をご覧ください。この項目は、答申ではTの本人への支援、Vの支援機関の連携と役割分担、Xの人材育成に関わる案件だと思っております。特に喫緊で取り組むべき議題の中に、様々な支援機関が連携することというふうに役割を明らかにした上でつながっていくことということを頂いている中に、この事業も関わってくるものと考えて取り組んでいるところです。  少し委員会の間が空いてしまったので、裏面の参考を先に見ていただければと思います。このプログラムは旧特定相談日として実施していたものを見直ししたものになります。平成24・25年にこの検討委員会で検討して、発達障害者支援センターという専門機関だけではなく、より身近なところで発達障害の相談が受けられるようにということで、発達障害者支援センターと区役所が一体的に各区で相談が受けられる仕組みというのをつくったところでございます。ただ、そこから5年たち、社会情勢やニーズが変わってきている中で、実施方法をいま一度見直しして、令和3年度から名称も変えて、発達障害地域連携プログラムという形で実施を始めたものでございます。  目的、内容についてははしょらせていただきますが、内容のところをご覧いただいて、まずは全区で年1回以上ミーティングをしてくださいというふうにしています。このミーティングは、各区で抱える課題の共有をして、それを踏まえた上でこの連携プログラム、どんなことを区で取り組んでいくのかということを話し合ってくださいというふうにしています。その中では、対象のところにあるとおり、原則として3機関で必ず話合いをしてくださいというふうにしています。この3機関――区役所、機関相談支援センター、生活支援センターは、今、障害者支援のまちづくりを中心に進めている自立支援協議会の事務局であり、障害者版の地域包括ケアシステムの事務局でもあるということで、各地域の連携の大本というかエンジンになる3機関という言い方をしていますので、この3機関で必ずミーティングをしてくださいというふうにしています。  それで、各区の現状、実態に合わせていろいろなプログラムを設定していいですよとしているのが、イの連携プログラムのところですが、今までどおり個別ケースに関する相談を重点的にやってもいいですし、事例検討してもいいですし、研修やその他組合せでもいいですし、各区の実情に合わせて設定してやっていきましょうと。この実施をするのはもちろんこの3機関だけではなく、必要に応じていろいろな相談支援機関も参加してやっていきましょうというふうにしたところです。  表に戻っていただいて、今年度どんなことに各区が取り組んでいるかということです。ちょっとコロナの影響もあってなかなかリアルでいろいろな取組ができにくいという環境の中、それでもそれぞれの区の実情に合わせていろいろ取り組んでくれています。詳細は後ほど桜井委員からご報告いただければと思いますが、下段にまとめさせていただいたとおり、全体の傾向としては研修の実施がやはり10区ということで一番多くなっております。それ以外に事例検討ですとか、困難事例や社会資源の共有をしたり、他区の連携事例を共有して自分のところに反映させていくですとか、テーマに応じた意見交換をするなどしています。全体で一番多かった研修も、自閉症や発達障害の特性の理解というものがそこここにでてきているのと併せて、社会課題として最近出てきている、軽度の方や知的に遅れのない方々の課題にもなるのかなと思いますが、夫婦間の問題や子育て中の問題、ひきこもりの子と高齢の親の問題などをテーマにしている区もあるということです。ここの全体傾向に区の数が書いてありますけれども、延べの数ですので全部足すと18以上になりますが、区によって研修だけではなく、いろいろな情報を共有したり、事例検討するなど、区の実情に合わせて発達障害者支援センターの皆様と取り組んでいる様子が分かるかと思います。  事務局からは以上でございますので、少し具体的な状況等を桜井委員から補足いただけるとありがたいと思っております。 (渡部委員長)佐渡課長からご指名がありましたので、本事業に発達障害者支援センターで携わっていらっしゃる桜井委員から、取組状況や成果といいましょうか、課題というのもあるかもしれませんし、お気づきの点につきましてお話しいただいてもよろしいでしょうか。 (桜井委員)今年度から地域連携プログラムに切り替わったということで、あと、コロナの影響もありまして、1回目のミーティングをまず持ちましょうというところは全区行うことができたのですが、その後の連携プログラムの内容の実施というところでは、区によって予定していた日程がコロナで中止になったりとか、区の方も集まって何をしてほしいかという会合を持ってからこちらに依頼を頂くという流れがスムーズにいかなかったということがあって、残念ながら、しかもここからまた2月、3月も集まるのが難しくなりそうなので、2月に予定しているところが幾つかありますが、全区での実施というところまでは今年度ちょっと難しい状況になってしまったかなということがあります。  私も全区に顔を出しているわけではないのでほかの職員からも聞いたところでは、こんな内容がありますよと上げたところで研修というものがあるので、研修をやりたいという話になる区が多いです。そうすると、研修をやるのも簡単にお願いしますで終わるわけではなくて、どんなテーマでとかもちろん話し合っていただかなければいけなかったりという動きが出てくるので、研修をやるというほうに力が注がれてしまって、それまで特定相談日という形でやっていたときに上がっていたケースの相談とか、顔を合わせたときにこういったケースがあってねみたいなやり取りというのが実は減ってしまった区もあって、研修のほうに力量が注がれ過ぎてしまったような、ちょっと引っ張られてしまったような印象がありますという話が職員から上がっています。その辺で、区とケースを通したやり取りや関係づくりというところをもうちょっと意識しないと薄くなってしまったかなというような話がありました。  ただ、その研修ということでは、区の顔合わせの中で、区役所の発達障害担当の部局の方だけでなく、例えば生活支援課であるとか、高齢者の在宅訪問をしている保健師さんだったりとか、1回目のミーティングのときには多い区だと20人ぐらい、機関さんとか生活支援センターとか区の方が集まってのミーティングになったところもあります。そうすると、そういうところで発達障害者支援センターを知っていただいて、生活支援課の職員向けに研修をしてほしいとか、先ほど佐渡課長からもお話があったように、8050問題で高齢者の訪問事業を行っている保健師さんたち向けに発達障害の研修をしてほしいというような、ちょっと違う広がりのつながりというのが生まれてきたところもあるかなと思います。  あと、上がってきているケースでは、ここにも書いてあるように緑区さんとかは触法ケースという話が上がっていたりですとか、ひきこもりだったりというようなお話が多かったりするのですが、単純に触法も、例えばその背景に障害特性があって、ご本人がどういう思考で、何がストレスになって、何がきっかけになって、触法だったりなかなか周囲が受け入れがたい行動に至ってしまうのかというのを周りが理解するのが難しい。そうすると、例えば刑務所や少年院から戻ってきた方を受け入れてくれる、例えば通い先、生活の場みたいなところを地域の中で探すのが大変な状況がありますというようなことを共有して、発達障害の特性理解だったり、どういうことがストレスになるのか、ご本人の理解しやすい関わり方はどういうものなのかということがもうちょっと共有されると、その辺の受入れ先が広がらないかという背景も含めての触法のご相談という感じの内容で、そういったときに発達障害者支援センターが連携として入ったところで何かお手伝いできることがありそうかというようなことを共有したという感じです。  あとは、港北区さんの研修テーマにもあったように、こだわりとか、変更の難しさとか、そういう発達障害特有の行動に対してどういう対応を取ったらいいのかということで、計画相談の方がいろいろと事業所さんとやり取りする中で、困っていますとか、なかなか利用サービスにつなげていくのが困難になっていますとか、ご本人の希望をなかなか聞き取ることができませんといったケースのご相談が多かったかなと思います。 (渡部委員長)ありがとうございました。それでは、このことにつきましてご質問・ご意見いかがでしょうか。  私のほうから1点よろしいでしょうか。緑区のケース、触法、そして都筑区の、2月9日ということはこの後予定していたことかと思いますが、なかなかそれが実施できないのは残念だと思いますが、内容としては非常に重要な内容かと思って、こういった情報共有等がなされたデータといいましょうか、内容についてどう蓄積していける、蓄積はしないのかもしれませんが、ほかのところでも非常に参考となるといいましょうか、貴重な内容でもあろうかと思います。この、各1年間取り組んだ結果を何らかの形で集約して、できれば必要な情報がさらにまた各区で共有できたりというようなことで、1年間取り組んだことについての振り返りといいましょうか、まとめということについての計画とか情報共有の取組というのは、何か検討とかございますでしょうか。 (佐渡課長)せっかくこのような仕組みをつくったので、自主的に共有している区もありますけれども、どういう形でまとめていくかはまだ詳細まで検討しておりませんが、何らかの形でまとめていく必要があるかなと思っております。この3機関がコアメンバーになってやるという意味は、各区の自立支援協議会でも、区の中で複数、同様の課題を抱えたケースなどが上がってきた場合には、区の自立支援協議会できちんと議論していただいて、それを市の施策に上げるような提案を区からしてもらうとか、そういうことにもつなげていける仕組みにしたいということで、この3機関に事務局をやっていただいていますので、大きく言えばそういうところにまできちんとつなげられるような仕組みにはしていきたいと考えています。 (渡部委員長)ぜひよろしくお願いいたします。高木委員、お願いいたします。 (高木委員)研修がすごく多いということで、例えば自立支援協議会とかがこういうやった研修を記録に残されていると、オンデマンド配信だったり、専門家の一般的な研修であれば、例えば集まってやるのが中止になったとしても、他区でやって好評だったものを共有していくとか。研修に加えて、やはり一番いいのはアウトプットもちゃんとやる事例検討で、それに基づいて事例検討してアウトプットしていくというのが一番、どちらかだけよりはいいように思います。そうなると個人情報の扱いが出てきてしまうので、せめてこの2月、3月とか、今後そういうやった研修の内容をもっと市全体で共有するためのアプローチを市からかけていただいて、自立支援協議会がまた連携できるような、何かそういうのは今どんなふうに動いていらっしゃるか、そういう公算があるのか教えてください。 (佐渡課長)今はまだ、この発達障害地域連携プログラムの取組として各区が実施する研修を共有の段階まで引き上げることまでは具体的にできていないのですが、今後、発達障害者支援センターと検討しながら、研修を受けた後の振り返りも含めてどういう形がいいのかというのは、共有の仕方も含め検討していきたいと思います。自立支援協議会そのもの、各区ごとでは発達障害に限らず様々な研修を各地区で実施されていて、アーカイブを持っているところもありますので、そういう仕組みも含めてなるべく自分の区で実施しただけではなくて、それがいいものであればきちんと広げていけるような仕組みというのはいろいろなところで考えていく必要があると思っています。ありがとうございます。 (渡部委員長)よろしいですか。それでは、一旦終了させていただきます。 エ 「視覚障害者等の読書環境の整備に関する法律(読書バリアフリー法)」に基づく本市取組の検討状況について (渡部委員長)続きまして、エの「視覚障害者等の読書環境の整備に関する法律(読書バリアフリー法)」に基づく本市取組の検討状況について、まず事務局からご説明をお願いしてよろしいでしょうか。 (宮田課長)担当しております教育委員会事務局生涯学習文化財課長の宮田純一と申します。この会議に初めて出席させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  資料はお手元11ページの資料5をご覧ください。令和元年に施行されました視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律、以下これは読書バリアフリー法と呼ばれておりますけれども、この法に基づく横浜市の取組の方向性を検討するために、昨年11月から附属機関であります横浜市社会教育委員会議で協議を開始しております。 読書バリアフリー法については、資料13ページの別紙1として、国がつくった読書バリアフリー法の概要をつけております。最初の目的の1条です。この法律は、視覚障害者等の読書環境の整備ということで、視覚に障害のある方だけではなくて、この等のところが等で丸めた形になっているのですが、実は大切なところでありまして、その等のところには、視覚障害、発達障害、肢体不自由等の障害により、書籍について、視覚による表現の認識が困難な方全てを指しています。そうした視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進していきましょうというものです。そして、障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与したいということが目的でございます。  そして、基本理念は第3条に掲げられているのですが、2つございまして、アクセシブルな電子書籍等――この電子書籍等は括弧書きにありますが、いわゆるデイジー図書、音声読み上げ対応の電子書籍・オーディオブックなどの普及、アクセシブルな書籍――これは点字図書や拡大図書を指しますが、そういったものを提供していきます。2つ目は、視覚障害者等の障害の種類・程度に応じた配慮ということで、特に発達障害などの見えにくい障害のある方については、個人の障害特性に応じて支援方法が異なるので支援者の理解を深める必要がありますということで、そういった配慮をしっかり考えていきましょうということが示されております。  それから、地方公共団体の計画ということでは、法の8条に規定されていますけれども、地方公共団体における視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画を定めるよう努めなければならないということです。読書バリアフリー法の大きな3つのポイントを示させていただきました。  そして2番目の、横浜市社会教育委員会議についてでございます。横浜市社会教育委員会議は、社会教育法と、本市の社会教育委員条例に基づき設置されています附属機関で、専門的な知見を有する委員によりまして解決策や対応策について協議いただき、その結果を提言として頂いております。横浜市では、2年任期でございますが、各期でテーマを設定し、会議を開催しているところでございます。特にその職務としては、社会教育に関し教育委員会に助言するため、例えば社会教育に関する諸計画を立案することということで、まさに今回の読書バリアフリー法に基づく本市取組の方向性については協議テーマに合致するのではないかということで、第33期の社会教育委員会議でこのテーマに基づいて進めているところでございます。  このテーマ選定の背景をご覧いただきたいのですが読書バリアフリー法において、第8条第2項では、「地方公共団体は、計画を定めようとするときは、あらかじめ、視覚障害者等その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること」とされていることから、この社会教育委員会議という会議体を意見を反映させる場としたいと考えた次第でございます。  そして、この社会教育委員会議の協議を円滑に行うため、読書バリアフリー法に関する部署で構成されます庁内の検討会議は、昨年7月から開催しておりまして、我々教育委員会生涯学習文化財課がその読書計画をつくる場、旗振り役でありますけれども、実際こういった今回のテーマに関する分野では直接の所管ではございませんので、そういった意味ではこども青少年局ですとか健康福祉局、図書館、教育委員会でも特別支援教育課のご協力を頂いて、庁内で力を合わせてつくっていこうというところでありまして、そういった庁内検討会議を昨年7月から開催しているところであります。  そして読書バリアフリー法に基づく横浜市の取組の方向性について、専門的な知見を有する社会教育委員から提言を頂き、その提言を踏まえて第三次横浜市民読書活動推進計画、これは令和5年度策定を予定しておりまして、計画期間は令和6年度から10年度の5年間なのですが、その計画の策定において読書バリアフリーに関する取組方針を盛り込んでまいりますということでございます。  お手元の資料、これは第二次の読書計画の概要版をつけさせていただいていますが、こちらも5年計画になりまして、これが令和5年度までを対象としているところです。この計画をつくるときに、そのタイミングでちょうどこのバリアフリー法ができたものですから、この概要版の2ページの趣旨の5行目の「また」以下で、令和元年6月28日に公布、施行された読書バリアフリー法の趣旨を踏まえ、今後の施策の方向性と取組を示すものとして策定しますということで、一部ここで追記させていただいています。実際の取組は概要版の6ページの重点項目3、読書活動の拠点の強化と連携というところで、主な取組とありますが、3つ目のポチのところで、図書館における、視覚障害者等が利用しやすい資料・サービスの種類及び量的拡充を図っていきますという新規の取組としてここに掲げています。それから、その下に大きくコラムとして、障害がある方へのサービスについてということで、サピエ図書館の紹介ですとか、中央図書館の取組状況を載せさせていただいております。この第二次計画では、そういった法ができてすぐのタイミングでしたので、ボリューム的には今ご紹介した記述にとどめてありますけれども、今後の第三次の計画については、この読書バリアフリー法の取組方針をしっかりと盛り込んでいきたいと考えております。 お手元の資料12ページになりますが、社会教育委員会議の委員の一覧をつけさせていただいております。10人の方に委員をお願いしておりまして、学識経験者の方が3人、社会教育関係者の方がお一人、学校教育関係者がお二人、家庭教育関係者がお一人、教育委員会が必要と認める者3名の構成になります。この中で会議体の議長は3番目の牧野篤先生という東京大学大学院教育学研究科の教授で、中教審の生涯学習分科会委員を務められている方でございます。この方は前期の社会教育委員会議の議長も務めていただいて2期目に当たるのですが、この方を議長とし、副議長はその上、専修大学文学部教授の野口武悟先生という方で、この方は図書館学の権威でもあります。それから、当事者団体の方のご参画もお願いしておりまして、下から3番目の大橋由昌さんは視覚障害者福祉協会の副会長の方、それから、松島雅樹さんという横浜市脳性マヒ者協会の事務局長です。実際、発達障害の団体の方にはご参画いただけていないのですが、高木一江先生や安藤壽子先生という、発達障害の分野に関わりの深い先生方にもご参画いただいて、そういった面では、委員の中には当事者団体としてお入りいただいていませんが、そういう専門家の先生からもご意見を頂戴しながら進めていくというような形となっております。  この会議体は年に4〜5回程度、昨年11月から今年の11月ぐらいまでかけて意見を頂戴する形で、1回目がまだ終わった段階でありますが、1回目は顔合わせとともに横浜市が取り組んでいる、こども青少年局や健康福祉局、図書館等で行われています障害のある方皆さんへの横浜市の取組の現状をご説明申し上げて、取組の方向性の案のようなものをお示しさせていただいてご議論いただいたところで終わっているところであります。これから2回目以降、順にテーマをもっと絞った形でご意見を頂きながら、いい計画をつくっていくよう、今作業を進めているところでございます。  簡単になりますが、説明は以上でございます。 (渡部委員長)ありがとうございました。それでは、高木先生が委員として加わっていらっしゃるようですので、高木先生から少しお話しいただいてよろしいでしょうか。 (高木委員)ありがとうございます。読書バリアフリー法の対象は、どうしても視覚障害の人というふうに私たちは思ってしまいますが、話の中で出てきたのは、やはり脳性まひのように動きが厳しかったり、あとは読み書き障害ですね。ですから、LD、ディスレクシアという方たちも読書はかなり、本を読むことが大変ということです。このアクセシブルという、アクセスが可能な図書をアクセスしづらい方たちのところに本がアクセスするみたいな、先ほど坂上委員からお話があったようにいろいろな民間の、公共機関の公的なところとかにそれこそバスが行きますみたいな、そういう移動図書館のような形でみんなのところに本が近づいていくという考え方が出ています。それから、図書館に行くだけのエネルギーが残っていない方がたくさんいるので、発達障害を考えると教育機関にデイジーがもっと入っていくとか、教科書を読んでくれるようなものだったり、教科書のバリエーションが多いとか、ルビの入れ方とかそういうような、いろいろな形で読書環境を整えるということも意見の中で出てきています。視覚の方もいらっしゃいますが運動機能が低い方もご参画いただいて、当事者のご意見がいろいろ出ているという状態です。今回の会議は1回目が終わった段階なので動きはそんなにないと思いますが、先ほどの方向づけで今後そういったことが発展していって、この発達障害検討委員会からも何かそういうような、読書環境についても提言が少しずつでも入ってくればうれしいなと思っています。 (渡部委員長)それでは、ご質問・ご意見いかがでしょうか。お願いします。 (谷崎委員)横浜市の小学校、中学校には学校司書が配置されているので、その司書の先生たちを通していろいろなサポートの仕方というのを広げていくことができるのではないかとすごく期待しています。それから、視覚障害の部分で言うと、ここに盲特別支援学校の校長先生が委員でいますけれども、盲特別支援学校とか弱視の個別支援学級等のノウハウというのも使えるのではないかと思うので、ぜひ発信してほしいし、そこを取り上げていただけたら。もう一つ、特別支援学校、肢体不自由の学校ではiPadを使ったり、デジタル教科書などを積極的に使ったりしているので、そこの部分も広げられるし、各学校司書等を通して共有していくことができるのではないかと思いますので、ここはぜひ進めていただけたらと思っています。 (渡部委員長)ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。 (宮田課長)先ほど1回目ということで、資料が手元になくて恐縮なのですが、重点取組ということで幾つか案としてお示しさせていただいた中の一つに、司書ですとか司書教諭、学校司書の人材育成というのも大きな方針として掲げておりまして、市立図書館において司書研修を実施していくですとか、あるいは学校図書館における司書教諭、学校司書向けの人材育成ということで、研修をしっかりやって人材育成をしようということも取組案としてお示しし、重点の取組として位置づけております。  それから、盲特別支援学校の長尾校長先生も委員に入っていただいていますが、先ほど専修大学の野口武悟先生のお名前を挙げましたけれども、先生も実際見て、日本一ではないかというぐらい盲特別支援学校の図書館が充実しているということで全国から研修にお見えになるというような学校でありまして、そういった意味では盲特別支援学校の取組をしっかりこの計画の中で反映できるように、そしてまた、横浜がいいモデルケースになればいいなと思っていますが、そういったことも考えているところであります。 (渡部委員長)ありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。  私から一言だけ。恐らく盲特別支援学校あるいは弱視の個別支援学級等、これまでの様々なノウハウの蓄積があり、それをできるだけ最大限活用していただくことはぜひ進めていただければと思います。一方で発達障害に関連して、やはりなかなか読むこと、読書が好きだという子はあまりよく聞かないといいますか、どちらかというと苦手意識というのがあって、そのあたり、発達障害の子供たちにとってどういうことが読書に抵抗を持つことになるのかということについてのデータ、あるいはその改善のためのノウハウを、もちろん徐々に蓄積はされていますけれども、今後さらに蓄積していかないとということもありますので、ぜひそのあたりの課題把握や、必要なところからの情報収集も積極的に進めていただいて、全ての人たちにということで継続的に取組を進めていただくようお願いしたいと思います。  それでは、これでこの議題について一旦終了させていただきます。ありがとうございました。 その他 (渡部委員長)それでは、その他ということで、まずは事務局から1つご用意があるということですので、その後、全体を通してということで進めてまいりたいと思います。自閉症啓発デーのご案内をいただけると伺っておりますので、事務局からよろしいでしょうか。 (及川課長)自閉症啓発デーについて簡単にご説明させていただきます。自閉症啓発デーにつきましては、本日お越しいただいている中野様をはじめとして横浜市自閉症協会の皆様にもご協力いただきながら企画や準備を進めているところです。新型コロナウイルスの感染拡大等の影響を受けることがないような形で実施を予定しております。例年どおりライトアップですとか、図書館での展示などを実施させていただく予定となっておりまして、具体的な内容につきましては改めて委員の皆様にご報告させていただくとともに、今後、報道発表等を実施していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 (渡部委員長)ありがとうございました。このことについて中野さん、何か、よろしいですか。 (中野委員)読書の部分でお伝えすべきか、啓発のところかなと思いながら、昨年度の世界自閉症啓発デーのときに神奈川図書館のほうにお伺いしたところ、去年はパネルの大きいのをつくってくださって、図書館の入り口に3つほどパネルを展示してくださいました。玄関を入ってすぐのところに発達障害の方のコーナーを設けてくださったということです。というのは、以前はそんなに大きなパネルではなかったので図書館の隅のほうに置いておけたのですが、今回パネルが大きくなったもので玄関先にしか置けないということもあったと図書館の方がおっしゃっていました。そのおかげといいますか、発達障害の本が飛ぶように貸出しされて、出しても出しても出ていくというほどで、その本の内容を見せていただいたところ、個人的には、親としては選定がすごくよかったということをお伝えしたところ、中央図書館の司書の方がいらっしゃってこの本を選んでくださったのだそうです。なので、今年も、次回の啓発デーも図書館がいろいろ取組をしてくださっていると思いますが、神奈川図書館ということで図書館に来られる方が多いのかもしれませんが、各図書館でちょっと大きめのパネルを置いてもらって、そういう動線上すごくいいところだと本当に見てくださっていて、私がちょっと15分ぐらい見ているだけでもおじいちゃん、おばあちゃんも見ていてくれたり、若い親子が来て2、3冊ぱっと取っていかれるのを見てすごく感動しました。なので、こういう図書の取組は、一般の方に対する啓発としてはすごくいいかなと。実は中央図書館は上の階にしかパネルを置けないんですね。入り口ではなくて4階ぐらいの専門書コーナーなんです。 (佐渡課長)4階のテーマ展示コーナーだったんですよね。 (中野委員)そうなんです。だから、中央図書館は上の階まで行かないと啓発デーをやっているのが分からないのです。それがたまたま今回、神奈川図書館はパネルが大きくて入口前にしか置けなかったのが幸いしたというのがあって、やはり啓発というか、皆さんの目に見えるところに触れるというのが今回はとてもよかったなと思って、一言この会でご報告させていただきます。 (渡部委員長)非常にうれしいお話ですね。ありがたいというか。 (中野委員)こんなに感動したのは啓発デーで初めてで、本当にうれしかったです。飛ぶように皆さん借りていってくださるのを見て本当に感動しました。 (渡部委員長)ぜひ全区的に。 (中野委員)広がるといいかなと。 (渡部委員長)ありがとうございます。その他、全体を通していかがでしょうか。 (中野委員)(中野委員)この委員会に出席させていただくようになって8年になるのですが、意見交換の内容が同じ、重なっている課題が多い。多分、課題がどんどん増えてきて、それが、解決の方向がなかなか追いついていかないからそういう課題提起になっているんだなというふうに思いました。それで一つどうなのか、これは成人の自閉症の人たちも同じ課題かと思うのですが、横浜市が療育センターという名前をつけて療育を始めてきてもう30年、40年ぐらいになるかと思いますが、横浜市のいわゆる自閉症の標準的支援というのがどうしても見えてこないというのがすごく私には感じられるのです。自閉症の標準的支援というのは多分もうほとんど確立していると思うのですが、そこである程度基本的なところを打ち出していかないと、放課後児童デイだったり学校の先生というのは腑に落ちないのではないかと思います。いろいろな方法はもちろんありますけれども、特性と理解というのを大前提として、標準的支援というのは学校でいうと自閉症の手引みたいなものが出てくると思うのですが、もうちょっと横浜市全体として標準的支援はこういう形なんですよというのを打ち出していただくほうが保護者は分かりやすいのかなと思います。そこがちょっと、一言お伝えしたかったことです。 (渡部委員長)今の中野委員の前半のほうは非常にそのとおりだと。 (中野委員)すみません。今日は発言はしないでおこうと思いながら、お聞きするだけしていたのですが。 (渡部委員長)ただ、この間、何が進んで何が課題として残っているか、もう少し明確に検証していくという作業はやはり不可欠だと、改めてそのとおりだと思います。  後段の取組に関してのご意見について、にわかにはお答えいただくことは難しいかもしれませんが、たまたま週刊新潮の今週号ですか、発達障害と腸の関係ということで、そういったことが報道され、それによってまた悩んだりするようなこともまだ続きますし、併せて標準的と言われているような、ある面、それがどこに行っても横浜市内に生まれて育っていく中で享受できるようにということ、そういった環境を構築していくことは大変重要なことかと思います。佐渡課長、ひとつ所信を。今、ご発言いただいてすぐにということではないですが、ただ、前半のほうのご指摘もしっかり受け止めなければいけないし、後半のほうのということで、いつも堂々巡りをしてしまう可能性がありますので、それはもう避けたいということだと思います。一言ご発言いただいてよろしいでしょうか。 (佐渡課長)非常に難しいのですが、一つは前段の8年間、中野委員には担っていただいていて、この54回というのは通算でございますので、これだけの回数を皆様とともにいろいろご議論いただいているということです。特に今期、この2年間は、2年度に頂いた答申に基づいて横浜市が何に取り組めて、従前からやっているものも含めてどうやって見直して、皆さんに発言いただいたことをこの答申にどうやって具現化していくかということで、検証のPDCAサイクルを回す2年間とさせていただきました。ちょっとコロナで十分にご議論いただけなかったというのはあるのですが、この発達障害検討委員会ができてから2年ごとにそのときそのときのテーマを決めて、幼児期のこと、青年期のこと、成人期のことなど時期やテーマを決めてご議論いただいてきたところで、それはそれでいいのですが、正直、2年ごとにぶつ切れだったところがちょっとあるなと思っています。幼児期のことを議論して、それを検証しないで、幼児期が終わったから次の少年期、青年期のことをやりましょうみたいになってきてしまっていたところがちょっとあるかなと思っていて、それを2年ごとにちゃんと答申、今回は市長への諮問・答申ではない形ですが2年ごとに報告書は頂いていて、それを振り返ることをきちんとやったほうがいいということで、今期は新たなテーマではなく、頂いた答申を行政がどのように動かしていくのかということを皆さんにご確認いただいて、ご意見いただいてまたブラッシュアップしていくという時期にしたかったということがあります。54回というと、年2〜3回やっているとなるとかなりの年数をやっていることになりますが、少しここで戻ってというか振り返って、2年度に頂いたこの答申だけでなく全てのものをもう一度振り返りながら、どこが進められていてどこが進められていないのかということは検証していく必要があるだろうと思います。  検証していただいていても同じような課題がまた出てくるというところはありますけれども、今日ご報告した地域療育センターの在り方の見直しについては抜本的だと私どもは思っています。もともと総合通園構想があって、知的に障害のある方々も含めて療育センターというのを整備して、行政の1歳6か月健診、3歳児健診で全てスクリーニングして療育センターにつないでいくということを横浜市は全国に先んじてやっていくことにしていたのですが、そういう障害のある子たちの適正な支援をするために切り分けていくだけではなく、先ほど坂上さんからもありましたが、地域でどのようにその方々が育っていくのかということに社会的な課題も変わってきているので、今回の療育センターの在り方検討は結構大きい、抜本的と言っていい検討なのではないかと思ったりしています。  そうやって少しずつ、今までご議論いただいたこと、それから社会情勢に合わせて新たな課題も含めて皆様のご意見を頂きながら、繰り返し、3歩進んで2歩下がるかもしれませんが、それでも1歩進みますみたいな。 (渡部委員長)2歩下がるのは困りますけどね(笑)。 (佐渡課長)2歩は下がりませんが、1歩ずつでも進んでいきたいなと思います。  もう一つの、自閉症の標準的支援、発達障害の方の標準的支援というのは、すごく難しいなと思います。療育センターの役割だったり、保育園の役割、学校の役割、福祉サービスの役割といろいろあると思いますが、本当にお一人お一人違うので、どういう道をたどって人生生きられるのかというのが、今は昔に比べてさらに幅広になっているので、確かに行政としてこういう方はこれが標準的な支援ですというのを言えるといいのですが、なかなか難しいなと。100人いらっしゃれば本当に100の人生があるなと思う中で、でも、そう言って逃げていてもしょうがないので、行政として民間の事業者も含めてどういう方向でやっていくのかということは、皆様とともにちゃんと議論していかなければいけないなと思っています。 (渡部委員長)ありがとうございました。今回の議論で収まるような話では当然ないわけですが、ただ、議事録の中にそういったご発言があったということを残していただいて、今後継続的に考えていかなければいけないテーマであるということで進めていきたいと思います。ちょっと最後は時間を意識した発言になってしまい大変恐縮ですが、一旦これで今日は終了させていただきたいと思います。  それでは、今日の議題につきましてはこれで終了させていただきたいと思います。皆さん、どうもありがとうございました。事務局、お願いいたします。 (田辺係長)皆様、本日はたくさんのご意見を頂きまして、ありがとうございました。今回が今期最後の検討委員会ということになります。今、佐渡からもありましたが、令和2年度から2年間の任期においては、横浜市発達障害者の施策展開に関するPDCAサイクルということで、各段階における評価と検証を中心に議論を行ってきていただいていると思います。我々も答申を受けてそれに基づいて何か着手しようと。今まで着手していなかったことに着手し始めると、やり始めたぞというような雰囲気をつい持ってしまいますが、こういう場でたくさんの、特に厳しいご指摘を頂けると、我々も自分たちの思っているとおりうまく進んでいるわけではないとか、スピード感が、我々が考えているより現場レベルでもっと早くしなければいけないとか、そういった身が引き締まるいいきっかけにもなっているなというふうにも思っています。進んでいることは事実だと思っているのですが、そんなことに油断することなく、今回頂いたご意見をしっかりと生かして進んでいきたいと思います。  皆様におかれましては、これまでの2年間、本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。今回の任期はここでおしまいですが、この2年間、またその前から頂いているご意見を参考にして、引き続き横浜市の発達障害者施策をしっかりと進めていきたいと考えております。皆様、本当にありがとうございました。本日はここで閉めさせていただきます。 資料 ・資料1  :令和3年度 横浜市発達障害検討委員会の検討内容について ・資料2  :地域療育センターの機能の見直しについて ・資料3  :学齢後期障害児支援事業体制強化に向けた取組の実施状況について ・資料4  :令和3年度「発達障害地域連携プログラム」の取組状況について ・資料5  :視覚障害者等の読書環境の整備に関する法律        (読書バリアフリー法)に基づく本市取組の検討状況について