- 28頁 - 第3章 本ビジョン策定の過程 - 29頁 - 概要 市民の皆様や有識者のご意見を伺いながら、横浜市図書館ビジョン(素案)を策定しました。 外部との対話 令和4年度 ヨコハマeアンケート 子育て世代向けアンケート 団体利用者・ボランティア向けアンケート 有識者意見聴取 令和5年度 市民ワークショップ 有識者意見聴取 市民意見公募 - 30頁 - 市民アンケート〜実施概要 図書館の利用実態や市民ニーズを把握するため、全3回の市民アンケートを実施しました。約3,900人の方に回答をいただきました。結果は市HPをご覧ください。 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/kyoiku/plankoho/plan/libvision.html#32BFC 【表 アンケートの種類と実施概要】 ヨコハマeアンケート 実施期間 令和4年11月11日(金)から11月25日(金) 回答者数 1,335人 対象 市内在住・在勤・在学の15歳以上の事前登録したメンバー 団体利用者・ボランティ向けアンケート 実施期間 令和4年12月15日(木)から令和5年1月15日(日) 回答者数 405人 対象 図書館の利用登録をしている団体・グループ、図書館で活動しているボランティア 子育て世代向けアンケート 実施期間 令和5年1月4日(水)から1月31日(火) 回答者数 2,233人 対象 未就学児を持つ保護者 【表 各アンケートにおける年代別構成比】 種別 eアンケート 10歳代 1人(0.1%) 20歳代 15人(1.1%) 30歳代 78人(5.8%) 40歳代 238人(17.8%) 50歳代 384人(28.8%) 60歳代 339人25.4% 70歳以上 280人(21.0%) 計 1,335人(100.0%) 種別 団体・ボランティア 10歳代 0人(0.0%) 20歳代 13人(3.2%) 30歳代 28人(6.9%) 40歳代 76人(18.8%) 50歳代 80人(19.8%) 60歳代 120人(29.6%) 70歳以上 87人(21.5%) 計 405人※(100.0%) ※405人:年代無回答の方1人を含む 種別 子育て 10歳代 3人(0.1%) 20歳代 109人(4.9%) 30歳代 1,378人(61.7%) 40歳代 707人(31.7%) 50歳代 29人(1.3%) 60歳代 5人(0.2%) 70歳以上 2人(0.1%) 計 2,233人(100.0%) - 31頁 - 市民アンケート〜結果概要 主な質問項目と回答は以下の通りです。 質問項目 より魅力的な図書館にするために必要な環境・設備 種別 ヨコハマeアンケート 静かに調べものや読書ができる環境(70.4%) 地域の情報を知ることができるコーナー(31.6%) 種別 団体利用者・ボランティア向けアンケート 静かに調べものや読書ができる環境(57.0%) 高齢者、障害者が利用しやすい設備や機器(36.3%) 種別 子育て世代向けアンケート 子どもから大人まで談話しながら利用できる環境(64.8%) 子どもが遊べるスペース(66.2%) 質問項目 より魅力的な図書館にするために必要なサービス・機能 種別 ヨコハマeアンケート 所蔵資料(図書・雑誌・新聞)の充実(63.6%) 身近な場所で本の貸出・返却ができるサービスの充実(50.1%) 種別 団体利用者・ボランティア向けアンケート 所蔵資料(図書・雑誌・新聞)の充実(64.0%) 身近な場所で本の貸出・返却ができるサービスの充実(50.9%) 種別 子育て世代向けアンケート 身近な場所での本の貸出・返却(66.6%) 子育て支援サービス(子育て相談・託児サービスなど)(39.3%) - 32頁 - 市民アンケート〜結果概要 子育て世代向けアンケートの図書館利用者・未利用者※の分析 ※1年に一度も図書館を利用しなかったと回答した人 ■利用者・未利用者の比較 Q 最寄りの図書館、取次所、移動図書館のステーションまでの所要時間 【利用者】85%以上の人が30分以内と回答している。 15分以内 42.8% 16〜30分 42.3% 31〜45分 9.5% 45〜60分 2.7% 61分以上 0.5% わからない 2.1% 【未利用者】30分以内の人は44%。 15分以内 16.4% 16〜30分 27.9% 31〜45分 18.4% 45〜60分 4.5% 61分以上 2.0% わからない 30.8% ■未利用者の分析 Q 回答者の読書習慣 紙の本や雑誌を読む 43.0% 電子書籍を読む 9.2% 両方読む 36.1% どちらも読まない 11.7% Q 子どもの読書習慣 ほぼ毎日 47.4% 週に3〜4回 21.8% 時々読む程度 15.1% 週に1回程度 11.3% ほとんど読まない 4.0% わからない 0.3% Q 最寄りの図書館等までの交通手段(複数回答) 自転車・徒歩が多いが、公共交通機関、自家用車を使用する割合も高い 電車・バスなどの公共交通機関 33.9% 自家用車・自動二輪車 23.6% 自転車・徒歩 38.5% 家族による送迎 3.6% その他 0.4% - 33頁 - 市民ワークショップ〜実施概要 各地域で市民ワークショップを実施し、図書館ビジョン策定に向けて、横浜市の図書館の未来について語り合いました。 「行って見たくなる図書館」「子育てと図書館」「まちの魅力づくりと図書館」の3つのテーマに分かれてグループディスカッションを行いました。 【目的】横浜市の多様な人々が集まり、ありたい「横浜市の新たな図書館」の姿を、ともに学び、ともに考え、ともにつくる。 【対象】横浜市内在住・在勤・在学の方(中学生以上) 第1回 開催日 2023年6月11日(日) 場所 ウィリング横浜(港南区) 参加者数 33人 第2回 開催日 2023年6月18日(日) 場所 都筑区役所(都筑区) 参加者数 35人 第3回 開催日 2023年6月24日(土) 場所 神奈川公会堂(神奈川区) 参加者数 34人 第4回 開催日 2023年7月1日(土) 場所 二俣川地域ケアプラザ(旭区) 参加者数 32人 計 134人 参加者年代別内訳 参加者数 10代 12人 20代 7人 30代 18人 40代 26人 50代 27人 60代 27人 70代以上 17人 計 134人 【写真 ワークショップの様子】 - 34頁 - 市民ワークショップ〜結果概要 当日の発表から、共通する事柄等をまとめました。 蔵書充実など本を借りることを前提とし、更なる機能の充実について多くの話し合いがされていました。 テーマ1 行ってみたくなる図書館 居場所としての図書館 気軽に行けるアクセスの良さ 行く目的となる魅力的な空間や居心地の良い場 不登校の子どもや障害者の方、誰にとっても安全で安心して過ごせる場所 学ぶことができる図書館 専門的な知識の学び 答えのない問いやこれまでにない視点からはじまる新しい学びの展開 市民の知識や経験のシェア デジタル化による利便性向上 交流することができる図書館 交流スペースと静寂なスペースが共存するゾーニングの工夫 ブックトーク等本を介した交流イベントや、料理教室、コンサート等、本や読書にとらわれない多様なイベントや設備 様々なアイデアを交換し合う場 テーマ2 子育てと図書館 安心して子どもを連れていける場所 清潔、安全、安心 声を出しても大丈夫、注意書きが少ないなど子どもや保護者を許容する空間 多様な子育て環境に対応した、利用しやすい立地・時間の図書館 公園の近くなど一日過ごせる環境 親子で楽しめるサービス・イベント おはなし会等本を介したイベント 子どもと実社会がつながる学びの機会やイベントや専門家・企業とのマッチング 親や家族にとっても図書館を利用しやすくなるサポート 子育て・子育ちにいい資料・メディア 実物に触れたり、体験できる場 本と体験が相互に連携した取組 子どもが一人で探しやすい配架や検索システム テーマ3 まちの魅力づくりと図書館 まちの魅力づくりと図書館 建築的にも魅力的な図書館 他の公共施設等の連携による身近で、かつ地域性のある図書館 障害のある方や一人暮らしの高齢者の方等、支援が必要な人へのサポート 地域資源と図書館 横浜で活動する様々な人や団体そのものが重要な地域の資源 本や人、情報、活動をつなぐ司書 図書館運営に関わる市民の存在 つながりづくりと図書館 インプットも、アウトプットもできる場 共通の趣味や目的での学習会やコミュニティ活動 子育てや仕事を通じて生まれ、広がるつながり 多世代、インクルーシブ、さらに大学、企業、団体との交流の場であり学びを社会還元できる - 35頁 - 有識者の意見聴取 本ビジョンの策定に当たり様々な分野の有識者に意見をお聞きし参考としました。 学識経験者(図書館情報学) 吉田 右子 氏(筑波大学図書館情報メディア系教授) 桑原 芳哉 氏(尚絅大学現代文化学部教授) 小泉 公乃 氏(筑波大学図書館情報メディア系准教授) 学識経験者(コミュニティ政策) 石井 大一朗 氏(宇都宮大学地域デザイン科学部准教授) 開館立ち上げ・組織経営 豊田 高広 氏(フルライトスペース株式会社) 空間設計(建築・まちづくり) 牛込 具之 氏(株式会社佐藤総合計画) 子育て支援実務経験者 東田 信子 氏(神奈川区地域子育て支援拠点かなーちえサテライト 現場責任者) 鳴神 美穂子 氏(西区地域子育て支援拠点スマイル・ポート施設長) 横田 美和子 氏(南区地域子育て支援拠点はぐはぐの樹 施設長) 島 美奈子 氏(青葉区地域子育て支援拠点ラフール 施設長) コミュニティ形成実務経験者 大塚 朋子 氏(認定特定非営利法人こまちぷらすウェルカムベビープロジェクト・こよりどうカフェマネージャー) 細井 綾 氏(認定特定非営利法人こまちぷらすウェルカムベビープロジェクトサブマネージャー) - 36頁 - 有識者の意見聴取〜主なご意見(1) 1 図書館のあり方 主なご意見 図書館は、みんなが知っていて、理由なく気軽に入れる公共施設 本・読書を核とし、知識と情報・メディアへのアクセスを保障する場 文化の継承や社会貢献、リテラシーも重要 図書館を新設する場合、賑やかで会話ができる北欧型の図書館が志向される 共創(人と出会い、共につくる)をベースにした、社会とかかわる場/創造の場 2 機能 主なご意見 異なる機能が図書館にあることで、担当者間の連携促進や相互送客の効果を見込める 子育て支援に加え、幅広い視点から若者のサポートが見える形が望ましい 将来を見据え、今後主流となる電子的資源の提供(電子書籍や電子化した地域資料の公開等)や電子的サービス(AI、デジタルレファレンス、オンラインプログラム等)を積極的に展開することが望まれる 3 施設(ハード) 主なご意見 中央図書館に行けない利用者に対して、図書館に親しんでもらうために分館の役割は非常に重要 ハード面の整備については、図書館の数を増やせばよいということではなく、利便性の向上に資する整備を進めることが大切 まちのアイコンになるためにデザインも重要 4 空間 主なご意見 図書館空間の最大の特徴は間仕切りのないオープンな「ワンルーム空間」。 活動の連鎖、経験の連続性により、読書や体験、サービスが豊かになる 複合から融合へ。図書館を媒体とし各機能が空間的・機能的に有機的に繋がっていく 環境配慮。ZEB。グリーンインフラとしての図書館 5 効率化 主なご意見 欧米では、デジタルなど新しい技術の導入や物流等のバックオフィスの効率化により、市民のためのサービス提供に注力している デジタル化を踏まえて、アウトソーシングの枠組を見直しても良いのでは 地元企業と連携し、図書館業務のDX化を推進できるのでは。実証実験に取り組んではどうか - 37頁 - 有識者の意見聴取〜主なご意見(2)   6 交流・コミュニティ形成 主なご意見 図書館は、誰もが行って何でも語っていい、呟けるという場所であり、それは市民自らがデザインする、主体形成に寄与する場所になりやすい 地縁のない人の増加、未婚化の進展を想定すると、図書館が、子どもを持たない人たち、結婚を選択しない人たちと地域とのハブとなることもできる 参加と協働を生み出すコーディネーター人材が必要 図書館は、コミュニティが自然に育まれていく環境をつくる。触媒的な役割を図書館員が担う 図書館が、利用者と対等であり一緒に場を作っていくイメージを持つことが重要 7 居心地の良さ・居場所 主なご意見 子育てをしていて、気分転換したいときに過ごせるような、居心地の良い空間が図書館にできると良い 静かに過ごしたい方、小さいお子さんがいるなど静かに過ごすことが難しい方が交わり、それぞれが安心して過ごせることが大切である スタッフとの会話や利用者同士の会話を促すためにも、掲示物等はできる限り減らす 8 子育て支援 主なご意見 図書館は静かにしなければいけない雰囲気があり、行きづらいと感じる方もいる。子どもと一緒に居やすい、周囲の温かい眼差しと寛容な雰囲気が重要。ハードにもそれが表れているとよい 図書館の子育て支援は、図書館ならではの絵本があるからできる役割を担ってほしい ベビーカーで利用できることは基本。子育て世代に向けた設備も大切 子どもから話しかけやすい環境にしてほしい、わからないことがあったら聞ける、あるいは司書などに本を読んでほしい、解説してほしい、などの要望が言いやすい - 38頁 - 市民意見公募 (1)公募期間 令和5年12月14日(木)〜令和6年1月21日(日)  (2)素案閲覧場所 ア 横浜市ホームページ(令和5年12月14日(木)から公開) 【URL】https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/kyoiku/plankoho/plan/libvision.html 【図 QRコード】 イ 素案概要配布、素案本文閲覧場所 横浜市立図書館・図書取次所 (令和5年12月25日(月)から令和6年1月14日(日)まで全館休館) 区役所広報相談係 市民情報センター(横浜市庁舎3階) ※年末年始等、各施設の休館中も、アのホームページで素案本文等をご覧いただけます ※地区センター、地域子育て支援拠点などでも素案概要を順次配布予定です - 39頁 - 各種基礎調査 本ビジョンの策定に当たり以下の項目について基礎的な調査を行い参考としました。 横浜市の特色及び関連計画の精査 調査事項 市の関連計画の整理 市の社会動向の整理 市民利用施設の図書コーナーの状況 図書館を取り巻く環境 調査事項 国の図書館行政の動向 他都市の図書館行政の動向 図書館の役割の変化 将来の社会動向の整理 電子書籍の現況と今後の可能性 先進事例調査 調査事項 まちの賑わい創出、子育て支援や市民の活動・交流に貢献する図書館 未利用者への訴求(アウトリーチサービス含む) 業務効率化につながる取組 ICタグ導入による職員配置や運用変更の傾向 再整備のコンセプト、取組の方向性や複合施設の傾向 複数の図書館を有する他都市における管理運営手法と各館の役割の傾向 環境共生型の図書館 市立図書館の現状・課題・問題点 調査事項 横浜市立図書館の概況 施設規模の調査 市民アンケートの結果から見える課題整理 蔵書の特徴 運営体制の把握 管理運営手法 施設整備を伴う事業手法 財源の創出 司書に期待される役割と人材育成 各拠点の配置 業務量・物流量の今後の動向