s第4章 計画の取組 1 保健事業の概要及び目標値 (1)生活習慣病の対策 特定健診受診率向上事業 事業の目的  特定健診の受診率を向上させ、特定保健指導や医療機関への受診につなげることで、医療費の約2割を占める生活習慣病の早期対策を促進します。 対象者  国民健康保険加入の40歳~74歳の方。 現在までの事業結果 ・平成20年度から特定健診を開始、平成30年度から健診費用を無料化、令和元年度から特定健診受診キャンペーン及び対象者の特性に応じた未受診者勧奨を開始。令和3年度から保険薬局、令和4年度から医療機関による受診勧奨を全区で実施。 ・令和元年度から医療機関からの電子請求を推進するため、マニュアル等を作成して勧奨。 ・令和元年度からみなし健診実施(人間ドック)への協力について、医療機関に通知を送付。(年1回) ・令和3年度から受診券の電子申請による再発行受付を実施。 実施計画  ・健診費用の無料化を継続。(通年)  ・特定健診受診券を送付。(外部委託により5月頃発送)  ・未受診者の特性に合わせた受診勧奨通知を送付。(外部委託により年2回程度)  ・特定健診受診キャンペーンを実施。  ・医療機関(かかりつけ医・薬局・歯科医院)や市民組織(保健活動推進員等)からの受診勧奨を実施。 (通年)  ・各区役所での広報、ウェブサイトで健康情報を発信。(通年)  ・受診券の電子申請による再発行受付を実施。(通年) 【今後の方向性】  ・医療機関からの受診勧奨の強化。  ・受診率が低い層へのインセンティブ・意識付けの検討。  ・受診環境の整備を検討。  ・マイナンバーカードを用いて特定健診結果が経年で閲覧できることのさらなる周知。  アウトプット指標  特定健診受診率(%)  計画策定時の実績 令和4年度  26.0  目標値 令和11年度  40.5  特定健診受診率(40歳~49歳)(%)  計画策定時の実績 令和4年度  14.3  目標値 令和11年度  23.1  未受診者勧奨通知送付数(実人数)(人)  計画策定時の実績 令和4年度  250,000  目標値 令和11年度  220,000    アウトカム指標  メタボリックシンドローム該当者・予備群の減少率(%)  計画策定時の実績 令和元年度  -4.9  目標値 令和11年度  0(令和8年度)   特定保健指導利用勧奨事業 事業の目的  特定保健指導の終了率を上げ、メタボリックシンドローム該当者及び予備群を減少させることで、被保険者の生活習慣病を予防し、健康寿命延伸を図ります。 対象者  特定健診の結果、特定保健指導に該当した方。 現在までの事業結果 ・平成27年度から未利用者勧奨事業として、対象者を絞って電話または手紙にて勧奨を実施。令和4年度からは委託により対象者全員にはがき又はSMSによる勧奨を実施。 ・平成29年度から令和元年度までイベント型集団特定保健指導を実施していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、イベント開催が困難なため、令和3年度から特定保健指導利用キャンペーンを新たに実施。 ・令和4年度から利用券の電子申請による再発行受付を実施。 実施計画 ・特定保健指導利用勧奨通知を送付。(外部委託により通年で実施) ・インセンティブとなるイベント型集団特定保健指導(外部委託)や特定保健指導利用キャンペーン(直営により通年)を実施。 ・特定保健指導を健診と同日以降の早い段階で実施(同日実施)。(外部委託により通年で実施) ・ICTを活用した特定保健指導の推進。(外部委託により通年で実施) ・利用券の電子申請による再発行受付を実施。 【今後の方向性】  ・特定保健指導実施機関数・同日実施機関数・ICTを活用した特定保健指導を拡大する。  指標  アウトプット指標  特定保健指導終了率(%)  計画策定時の実績 令和4年度  8.5  目標値 令和11年度  22.5  特定保健指導実施機関における同日実施またはICTを用いた特定保健指導を実施する事業者割合(%)  計画策定時の実績 令和4年度  61.0  目標値 令和11年度  80.0  アウトカム指標  特定保健指導による特定保健指導対象者の減少率(%)  計画策定時の実績 令和4年度  26.4  目標値 令和11年度  30.0 (2)生活習慣病等重症化予防対策 糖尿病性腎症重症化予防事業 事業の目的  糖尿病で治療中の方のうち、重症化リスクの高い方に対して保健指導を実施することで、糖尿病性腎症の重症化を予防します。  その結果、腎不全、人工透析への移行を防止し、健康寿命の延伸と高額な医療費の発生を抑制します。 対象者  ア 糖尿病性腎症重症化予防事業  ・糖尿病治療中の方のうち、特定健診の結果がHbA1c7.0%以上かつeGFR60(ml/分/1.73m2)未満または、HbA1c7.0%以上かつ尿蛋白(+)以上の方。(いずれも特定保健指導非該当者とする。)  イ 糖尿病等の重症化予防事業(よこはま健康アクション)のうち、横浜市国民健康保険被保険者を対象とした事業(各区で実施)。(以下、「糖尿病等の重症化予防事業のうち、横浜市国民健康保険被保険者を対象とした事業」という。)  ・特定健診の結果がHbA1c6.4~6.9%かつ特定保健指導非該当者。 現在までの事業結果  ア 糖尿病性腎症重症化予防事業  ・平成29年度から主治医と連携した個別保健指導プログラム及び糖尿病の受診や治療継続の勧奨を実施。  ・本事業開始の平成29年度~令和3年度の5か年の平均    参加者数56.6人、参加率16.0%、HbA1c(糖代謝)維持改善率67.7%、eGFR維持改善率79.3%。  ・プログラム参加者の中で、75歳までに人工透析に移行した人はいない。  イ 糖尿病等の重症化予防事業のうち、横浜市国民健康保険被保険者を対象とした事業  ・令和2年度から各区において対象者にダイレクトメールを発送し、希望者に対して、区役所の保健師または栄養士による集団支援または個別支援を実施。  ・HbA1c6.5~6.9%の方の糖尿病に関する医療機関受診者割合は70.4%を達成。 実施計画  ア 糖尿病性腎症重症化予防事業  ・個別保健指導プログラム及び糖尿病の受診や治療継続の勧奨を実施。 (外部委託)  ・対象者全員へ案内通知を発送した後、電話にて対象者に合わせた保健指導と個別保健指導プログラムへの参加勧奨を実施。  ・保健指導プログラムは、かかりつけ医と連携し、面談(ICT含む)または家庭訪問、及び電話を組み合わせ、原則6か月間実施。  イ 糖尿病等の重症化予防事業のうち、横浜市国民健康保険被保険者を対象とした事業  ・糖尿病等の発症リスクの高い方にダイレクトメールを発送し、希望者に対して、集団支援または個別支援を実施。 (直営)  ・国民健康保険被保険者から対象者を抽出し、ダイレクトメールを発送。  ・その後、参加希望者に対して、区役所の保健師または栄養士によるグループ集団支援や、生活習慣改善相談等を利用した個別保健指導を実施。 【今後の方向性】  ア 糖尿病性腎症重症化予防事業  ・委託業者と事業進捗状況及び指導実施内容を検証し、保健指導のさらなる質の向上に努める。  ・対象者のうち、割合の高い高齢者にとっても、分かりやすい案内文の作成や、対象者に合わせた電話勧奨を実施。  イ 糖尿病等の重症化予防事業のうち、横浜市国民健康保険被保険者を対象とした事業  ・糖尿病について、より分かりやすいダイレクトメールの作成や保健指導内容の充実。  アウトプット指標  糖尿病性腎症重症化予防事業参加者割合(%)  実績 令和3年度  14.0   目標値 令和11年度  20.0  糖尿病等の重症化予防事業のうち、横浜市国民健康保険被保険者を対象とした事業対象者への通知発送率(%)  実績 令和4年度  100.0  目標値 令和11年度  100.0    アウトカム指標  糖尿病性腎症重症化予防事業参加者の人工透析導入者数(人)  実績 平成30年度から令和3年度  0   目標値 令和11年度  0  糖尿病性腎症重症化予防事業参加者のHbA1c(糖代謝)維持改善率(%)  実績 令和3年度  72.1   目標値 令和11年度  75.0  糖尿病性腎症重症化予防事業参加者のeGFR維持改善率(%)  実績 令和3年度  87.5   目標値 令和11年度  90.0  HbA1c6.5~6.9%の方の糖尿病に関する医療機関受診者割合(%)  実績 令和3年度  70.4   目標値 令和11年度  75.0 重症化リスク者受診勧奨事業 事業の目的  生活習慣病等の重症化リスク者が適切に医療機関を受診すること及び治療中断者が再治療につながることで、生活習慣病等の重症化予防と健康寿命の延伸及び医療費の適正化を図ります。 対象者  ア 受診勧奨値該当者:特定健診の結果、検査値(血圧、血糖、LDLコレステロール)が一定の基準値を超え、生活習慣病の受診が確認できない方。特定保健指導対象者を除く。  イ 糖尿病治療中断者:特定健診未受診者で、糖尿病の診断があるが一定期間糖尿病の医療機関受診が確認できない方。  ウ 糖尿病治療中の歯科未受診者:歯科の受診歴が一定期間なく、特定健診の問診票で歯科受診が特に必要な方。  エ 特定健診対象者の内、歯周病検診対象者。 現在までの事業結果  ・令和3年度から上記ア~ウの対象者に対し、受診勧奨を促す通知(はがき)を発送。  ・令和3年度 発送者数:3,581人           発送後の受診率:ア 18.6%、イ 14.1%、ウ 14.6%  ・令和4年度 発送者数:4,170人   ・平成30年度からエの対象者に対し、特定健診受診券の送付時に歯周病検診等のチラシを同封。 実施計画  ア~ウの対象者  ・特定健診結果及びレセプト情報から対象者を抽出し、リスクに応じて医療機関への受診行動を促す通知(はがき)を送付。(外部委託により年1回送付)  ・対象者抽出基準や勧奨資材内容については、横浜市医師会、横浜市歯科医師会、横浜市薬剤師会に相談・説明し、事業内容の理解・協力を得る。  ・発送後の問合せには医療専門職が対応。(外部委託)  エの対象者  ・特定健診受診券に歯周病検診等のチラシを同封し、歯周病検診の受診勧奨や歯周病と全身疾患との関係・全身の虚弱化等を引き起こすオーラルフレイル予防の周知を実施。(外部委託) 【今後の方向性】  ・効果的な事業実施のため、横浜市医師会、横浜市歯科医師会、横浜市薬剤師会とのさらなる協力・連携体制を検討。  ・より効果的な勧奨回数や勧奨方法の検討。  ・高齢者の特性を踏まえた事業対象者の検討。  ・委託業者と効果検証結果を共有し、受診勧奨の質の向上に努める。  アウトプット指標  事業対象者への受診勧奨割合(%)  計画策定時の実績 令和4年度  100.0  目標値 令和11年度  100.0    アウトカム指標  受診勧奨値該当者への受診勧奨後の受診率(%)  計画策定時の実績 令和4年度  12.2  目標値 令和11年度  15.0  糖尿病治療中断者への受診勧奨後の受診率(%)  計画策定時の実績 令和4年度  10.9  目標値 令和11年度  15.0  糖尿病治療中の歯科未受診者への受診勧奨後の歯科受診率(%)  計画策定時の実績 令和4年度  12.6  目標値 令和11年度  15.0 (3)適正受診対策 適正受診勧奨事業 事業の目的  ジェネリック医薬品個別差額通知等や、重複・頻回受診者、多剤投与者等への適正受診勧奨を通じて、医療費の適正化および健康被害の防止を図ります。 対象者  ア 重複・頻回受診対策事業(主な対象者)  ・重複投薬者:同一月に同一薬効の医薬品を複数機関から処方されている方。  ・多剤投与者:同一月に薬剤を複数機関から一定数処方されている方。  イ ジェネリック医薬品普及促進事業  ・ジェネリック医薬品へ変更した場合の自己負担額に一定額以上の差額が出る方。 現在までの事業結果  ア 重複・頻回受診対策事業  平成27年度から重複・頻回受診対策事業を開始。令和3年度から多剤投与者・併用禁忌者・頻回受診者にも対象者を拡大。  イ ジェネリック医薬品普及促進事業  平成23年度からジェネリック医薬品個別差額通知発送を開始。 平成23年度から平成30年度までに対象薬効を7薬効から56薬効に段階的に追加し、対象者を拡大。 実施計画  ア 重複・頻回受診対策事業  ・重複投薬者・多剤投与者等に適正な受診を促す通知を送付。(直営及び外部委託)  ・重複投薬者のうち、健康被害のリスクの高い対象者は保健師による保健指導を実施。(直営)  イ ジェネリック医薬品普及促進事業  ・切り替えにより自己負担額に一定額以上の差額が出る方へジェネリック医薬品個別差額通知を送付。(横浜市医師会、横浜市歯科医師会、横浜市薬剤師会、国民健康保険団体連合会との協力・連携)  ・国民健康保険被保険者証や保険料額決定通知書等に同封される資材によるジェネリック医薬品普及促進の広報を実施。 【今後の方向性】  ア 重複・頻回受診対策事業  ・効果的な服薬指導が行えるよう、横浜市医師会、横浜市薬剤師会とのさらなる協力・連携体制を検討。  ・より効果的な勧奨回数や勧奨方法の検討  イ ジェネリック医薬品普及促進事業  ・さらなる普及啓発に向け、横浜市医師会・横浜市薬剤師会と効果的な啓発方法等を検討。  アウトプット指標  事業対象者への適正受診勧奨割合(%)  計画策定時の実績 令和4年度  100.0  目標値 令和11年度  100.0  アウトカム指標  重複投薬の患者割合(%)  計画策定時の実績 令和4年度  1.21  目標値 令和11年度  減少  多剤投与(6剤以上)の患者割合(%)  計画策定時の実績 令和4年度  7.54  目標値 令和11年度  減少  ジェネリック医薬品の使用割合(%)  計画策定時の実績 令和4年度  80.1  目標値 令和11年度  80.0