2 特定健康診査等の実施方法  本市では、「特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準」(平成19年厚生労働省令157号。以下「実施基準」という。)に基づき、一定の条件のもと、効率的かつ質の高いサービスを提供できる特定健診実施機関や特定保健指導実施機関を活用し、全面外部委託により実施してきました。第4期特定健診等実施計画についても、引き続き、外部委託により実施します。 (1)特定健康診査の実施方法  ア 健診項目  健診項目は、実施基準第1条に定められた「基本的な健診項目」と、「実施基準に関する大臣告示」(厚生労働省告示第4号平成20年1月17日)に基づき実施することができる「詳細な健診項目」を実施します。  なお、本市国保では、第1期計画から腎不全及び糖尿病にかかる医療費の伸びを踏まえて、基本的な健診項目において選択項目とされている空腹時血糖とヘモグロビンA1cの両方を受診者全員に実施してきました。  また、法定項目のほかに、腎不全の進行状態を把握する血清クレアチニン検査、腎機能低下の因子のひとつと言われている血清尿酸検査や膀胱腫瘍など重篤な疾病の早期発見につながる検査として尿潜血検査も追加しています。  血清クレアチニン検査については、第3期計画から「実施基準に関する大臣告示」の中で、詳細な健診の項目に追加されることになりましたが、本市では、糖尿病性腎症重症化予防の取組を推進していることから、第2期計画に引き続き、追加項目として受診者全員に実施します。  基本的な健診の項目:健診対象者全員が受ける項目  健診項目 内容  質問(問診) 食事・運動習慣、服薬歴、喫煙習慣、飲酒、歯科口腔保健、特定保健指導の受診歴(※1)など  身体計測 身長、体重、BMI(体格指数)、腹囲(内臓脂肪面積)  理学的所見 身体診察  血圧測定 収縮期血圧、拡張期血圧  血液検査  脂質検査 空腹時中性脂肪又は随時中性脂肪(※1)、HDLコレステロール、LDLコレステロール  血糖検査 空腹時血糖(※2)、ヘモグロビンA1c(※2)  肝機能検査 AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP)   腎機能検査 血清クレアチニン(※3)、eGFR(※3)  尿酸検査 血清尿酸(※3)  尿検査 尿糖、尿蛋白、尿潜血(※3)  (※1)第4期に変更となった項目、(※2)両方実施、(※3)本市国保独自の追加項目  詳細な健診の項目:一定の基準の下、医師の判断により選択的に受ける項目  健診項目 内容  心電図検査  眼底検査  貧血検査 赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値  イ 実施期間  特定健診の実施期間は、当該年度の4月1日~翌年3月31日とします。  ウ 外部委託契約の形態  市内の医療機関に委託して実施します。  契約形態は、横浜市医師会と集合契約を結ぶほか、必要に応じて個々の医療機関と個別契約を結びます。  エ 周知や案内の方法  (ア)受診案内の方法  特定健診の受診率の向上につながるよう受診券を対象者全員に交付します。受診券は区役所保険年金課保険係に申請することで交付されます。  4月1日以前から本市国保に加入し、年度内に40歳~74歳の誕生日を迎える方及び、7月以降に75歳の誕生日を迎える方には、区役所から受診券を年1回送付します。 受診券送付時には、特定健診の受診に必要な問診票、実施機関一覧の他に、制度の案内冊子等を同封します。  (イ)周知の方法  受診券送付時に、制度の案内冊子を同封するとともに、保険料額決定通知書送付の際に同封する「国保だより」、区役所の窓口で配布する「国民健康保険ガイドブック」、「広報よこはま」、本市のホームページ等において制度案内をします。 また、ポスター掲示により、医療機関・保険薬局・歯科医院や、区役所をはじめとする公共機関等において、広く市民に周知をします。地域においては、保健活動推進員と共に作成した啓発用リーフレットを活用し、広く周知をします。  (ウ)健診結果の通知  健診結果については、郵送または対面により健診機関から受診者本人に直接通知します。  オ 想定対象者数・想定実施者数       想定対象者数     想定実施者数 令和6年度 486,090人      160,410人   令和7年度 481,229人      166,024人 令和8年度 476,417人      171,510人 令和9年度 471,653人      176,870人 令和10年度 466,936人      182,105人 令和11年度 462,267人      187,218人 (2)特定保健指導の実施方法  ア 対象者の選定  実施基準第4条に基づき、特定保健指導対象者の選定と保健指導のレベルの階層化を行い、積極的支援、動機付け支援とされた人に対して、特定保健指導を実施します。  イ 実施方法  (ア)支援内容及び支援形態  目的  特定健診の結果から、対象者が自らの生活習慣における課題に気付き、自らの意思による行動変容によって内臓脂肪の蓄積に起因する健康課題を改善し、健康的な生活を維持することで、生活習慣病への移行を予防します。  動機付け支援  初回面接による支援のみの原則1回とする。  ○初回面接  一人当たり20分以上の個別支援(ICT含む)、または1グループ(1グループはおおむね8人以下)当たりおおむね80分以上のグループ支援(ICT含む)。  ○3か月以上経過後の評価  設定した行動目標が達成されているか並びに身体状況及び生活習慣に変化が見られたかどうかを評価する。面接または通信手段を利用して行う。  積極的支援  初回面接による支援を行い、その後、3か月以上の継続的な支援を行う。  ○初回面接  一人当たり20分以上の個別支援(ICT含む)、または1グループ(1グループはおおむね8人以下)当たりおおむね80分以上のグループ支援(ICT含む)。  ○3か月以上の継続的な支援  アウトカム評価とプロセス評価を合計し、180ポイント以上の支援を実施することを条件とする。個別支援(ICT含む)、グループ支援(ICT含む)のほか、電話、電子メール等のいずれか、もしくはいくつかを組み合わせて行う。  ○3か月以上経過後の評価  アウトカム評価(成果が出たことへの評価)を原則とし、プロセス評価(保健指導実施の介入量の評価)も併用して評価する。    アウトカム評価  主要達成目標  ・腹囲2㎝・体重2㎏減 または、当該年の健診時の体重の値に、0.024を乗じた体重(㎏)以上かつ同体重と同じ値の腹囲(㎝)以上の減少   目標未達成の場合の行動変容評価指標  ・腹囲1㎝・体重1㎏減  ・生活習慣病予防につながる行動変容(食習慣の改善、運動習慣の改善、喫煙習慣の改善、休養習慣の改善、その他生活習慣の改善)  プロセス評価  ・支援種別による評価(個別支援(ICT含む)、グループ支援(ICT含む)、電話、電子メール・チャット等)  ・健診後早期の保健指導実施を評価  動機付け支援は、初回面接から3か月経過後に実績評価を行います。  積極的支援は、初回面接から実績評価を行うまでの期間を3か月以上経過後とします。 特定健診結果並びに食習慣、運動習慣、喫煙習慣、休養習慣その他の生活習慣の状況に関する結果を踏まえ、面接による支援及び行動計画の進捗状況に関する評価(中間評価)及び実績評価を行います。  初回面接を健診実施年度の翌年度9月末まで受けられるものとし、また、保健指導の支援期間を考慮して、最終評価を健診実施年度の翌年度末までとします。  (イ)健診当日等特定保健指導の初回面接実施  特定健診実施機関のうち特定保健指導を実施している機関において、特定健診の同日及び結果説明時に、保健指導の初回面接を実施できることとします。  (ウ)ICT(情報通信技術)を活用した特定保健指導  感染症拡大等に対応し、対象者の利便性を確保するためにも、実施機関において、初回面接からプライバシーに配慮しつつ、ICTを用いた特定保健指導を行うことについて奨励します。  ウ 外部委託契約の形態  個々の医療機関や事業者と個別に契約を結び、受託者が提供する場所で実施します。  エ 利用案内の方法  対象者全員に利用券を交付します(利用券は特定健診実施年度の翌年度7月末まで発行します)。また、利用案内はがき・SMSを送付して利用勧奨を実施します。  オ 想定対象者数・想定実施者数       想定対象者数 想定実施者数 令和6年度 19,249人      2,887人 令和7年度 19,923人      3,287人 令和8年度 20,581人      3,705人 令和9年度 21,224人      4,139人 令和10年度 21,853人      4,589人 令和11年度 22,466人      5,055人 (3)サービスの質の確保・向上のための仕組みづくり  本市国保が実施する特定健診等は、医療機関や民間事業者に全面外部委託して実施することから、事業の実施主体として、委託先の業務の実施状況や特定健診等に対する苦情を受診者、区役所窓口等から把握し、質の高い特定健診・特定保健指導のサービスが提供されるよう事業者に対する指導・監督を行います。  ア 事業者に対する指導・監督体制の整備  質の高い特定健診等のサービスが提供されるよう事業者に対する指導を実施します。  イ 事業者及び従事者の質の向上の支援  特定健診等のサービスの質の確保を図るため、人材育成に取り組みます。  ウ 研修機会の提供  最新の科学的知見に基づいた効果的な健診・保健指導が実施されるように、神奈川県、関係団体が実施する研修を紹介し受講を促します。